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2020.10.28
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更新日:2023.03.16
公開日:2020.11.05
2020年10月14日(米国時間)、GoogleはGoogleアナリティクスの大幅なアップデートを施した「Googleアナリティクス 4 プロパティ(GA4)」をリリースしました。
今回のアップデートにより、セッションベースであった解析が、ユーザーの獲得と保持などライフタイムバリューに焦点をあてたイベントベースになったことで混乱している企業も多いのではないでしょうか。
今回のアップデートで知っておきたいGoogleアナリティクス 4 プロパティ(GA4)の特徴や、導入方法をまとめました。
目次
Googleアナリティクス 4(GA4)は、Googleが提供するアクセス解析ツールの最新版です。
2019年にベータ版が公開された「App+Web Property」で導入された機能に基づいて構築され、より優れた「クロスデバイス測定」を可能にしました。
ユーザーの多くは、そのときどきで自分にとって便利な方法でサイトにアクセスします。スマホで探した商品を、パソコンで購入するようなことも少なくありません。そのためこれまでウエブとアプリの両方をトラッキングしていた企業にとっては、データの一元化を可能にする非常に優れたツールとなります。
Googleアナリティクス4(GA4)の導入で実現できることには、以下のようなものがあります。
Googleアナリティクス4(GA4)は、これまでのユニバーサルアナリティクスのセッションベースによるデータ収集から、「顧客のライフサイクル」を中心にしたイベントベースに刷新されたことも大きな特徴です。
UAではほとんどのレポートがデバイスIDに紐付いていたので、ひとりのユーザーがPCとスマホでアクセスした場合には、別のユーザーとして扱われていました。
しかしGA4ではログインが必要なサイトで付与されるユーザーID(実装が必要)や、Googleにログインしているユーザーから収集するGoogleシグナル、そしてデバイスIDを複合的に関連づけ、組み合わせることで、一人ひとりのユーザーについて行動経路を作成します。
そのためひとりの、最初の接触からコンバージョン、維持に至るまで、ユーザーのライフサイクルを、デバイスをまたいでもかなり正確に追えるようになるのです。
レポートについても、これまでセッションベースでユーザーのサイト内での動きを観測することを目的としたものから、以下のように刷新されました。
これまでとはまったく異なる視点で、データを分析していく必要があります。まずはデータを収集し、慣れていくことから始めましょう。
すでにユニバーサルアナリティクスを導入し、そのデータでの分析を長年行ってきた企業は、Googleアナリティクス4(GA4)の導入に二の足を踏んでしまうのではないでしょうか。とくにアプリを運用せず、Webサイトしか持っていない場合には、必要性を感じないかもしれません。
しかしGA4は、既存のユニバーサルアナリティクスと併用が可能なので、導入だけでもしておくことをおすすめします。
それはGA4では、これまでのデータを流用することなくゼロからデータを収集しはじめるためです。当面ユニバーサルアナリティクスが廃止されることはないと思われますが、いざというときに、GA4で実際に活用できるレベルのデータを蓄積するには時間がかかります。データを蓄積するだけでも、スタートしておきましょう。
またこれからプライバシーの保護はますます重要になっていき、Cookieでデータを収集することはできなくなっていきます。その意味では、蓄積されたビッグデータから機械学習させて、予測させるという今回のアップデートは意味があります。
当面は併用しながらデータの集積を行い、少しずつ新しいシステムに慣れていくことをおすすめします。
Googleは2020年10月14日のGoogle Marketing Platform(GMP)ブログで、「Introducing the new Google アナリティクス」という記事を公開し、新しいGoogleアナリティクス4(GA4)を紹介しました。その中で述べられている新しいGA4の特徴は大きく分けて4つあります。
ブログでは、Googleアナリティクス4(GA4)の特徴として、高度な機械学習モデルを取り入れたことを挙げています。これにより、ビジネスに役立つ、以下のような重要なデータの傾向を、自動的に警告できるようになりました。
将来予測が可能になると、予算が厳しくなる状況下でも顧客維持に対する効率的な投資ができるようになります。
今後さらに新たな予測法を追加することにより、以下のようなことも実現できるようになるそうです。
このようなことがあらかじめ予測できるようになれば、カスタムオーディエンスを作成することで、潜在的により価値の高い顧客に対する効率的な投資が可能になるでしょう。
ブログではさらに、新しいGoogleアナリティクス4(GA4)を活用することによって、ROIの改善が可能になるとも述べています。新しいGA4はGoogle広告との連携をさらに強めたため、顧客の場所にかかわらず、より関係性が高く、役立つエクスペリエンスで顧客にリーチできるオーディエンスを作成できるようになっています。
たとえばあるユーザーがオーディエンスリストに加わり、その後アプリ内で購入に至った場合にはリストから自動的に外され、リターゲティング広告を表示しないといったことが可能です。つまりコンバージョンしたユーザーに対して、無駄な広告費を費やすことがなくなります。
またGA4では、アプリとウェブで発生するYouTubeのエンゲージメントとコンバージョンを取り込めるようになりました。さらにGoogleやGoogle以外の有料チャネル、オーガニック検索、SNS、メールなどからのコンバージョンを複合的に見ることで、理解が進むとしています。
これまでのユニバーサルアナリティクスでは、サイトにアクセスしてから離脱するまでの、セッションベースによる「サイトに滞在している間の行動」に重点をおいていました。しかしGoogleアナリティクス4(GA4)では、顧客のライフサイクルにあわせた測定にシフトしたことが、今回のアップデートの大きな特徴です。
GA4では複数の識別コードを使用することにより、顧客一人ひとりのカスタマージャーニーの全体像を把握できるようになります。たとえば顧客がどのように最初に自社を知り、どのような行動をとったのちに購入に至ったのかまでを追えるようになりました。
カスタマージャーニーに基づき、顧客の認知からコンバージョン、リテンションまでの長期にわたるライフサイクルを理解することで、新規顧客の獲得に力を入れるべきタイミングを把握できます。
Googleアナリティクス4(GA4)は、プライバシーファーストのトラッキングを行うことも重視しています。
近年ユーザーだけではなく、企業もアナリティクスがCookieを使用してセッションを追跡することに慎重になってきました。たとえばFirefoxはアナリティクスをブロックするようになり、多くのWebサイトがCookieの使用にユーザーの同意を求めるようになっています。
また多くのユーザーはPCとスマホやタブレットなど、複数のデバイスを使用しています。そのためCookieに依存する、既存のユニバーサルアナリティクスでは、データが欠落する、あるいは不足するという問題に直面しているのです。
GA4では、将来的にはCookieの有無にかかわらず、機械学習に基づいてデータのギャップを埋めるとしています。
Googleアナリティクス4(GA4)の導入方法は、新規にアナリティクスを設定するのか、すでにアナリティクスを設定しているサイトにプロパティを追加するのかによって少し異なります。
既存のサイトや作成したばかりのサイトに、新しくアナリティクスを導入する場合には、GA4がデフォルトとされています。しかしユニバーサルアナリティクスのプロパティも同時に作成できるので、当面は両方登録しての運用をおすすめいたします。
両方のプロパティの登録は、以下の手順で進めます。
<GA4とUAの両方のプロパティを作成する手順>
※デフォルトで「Google アナリティクス 4 とユニバーサルアナリティクスのプロパティを両方作成する」を選択するにチェックが入っていることを必ず確認してください。ここにチェックが入っていないと、両方作成されません!
すでにユニバーサルアナリティクスが導入されているサイトに、新しいGA4を追加する場合は、アナリティクスにログインし、管理画面から行います。
前述しましたが、GA4を導入しても、ユニバーサルアナリティクスを引き続き利用が可能です。これまでのデータがGA4に引き継がれることはなく、GA4プロパティは新規でゼロからデータの収集を開始します。
<UAのアカウントにGA4のプロパティを追加する手順>
インターネットによる消費行動が加速化し、カスタマージャーニーはどんどん複雑化しています。またプライバシーを重視する方向に進んでいるなか、従来の方法では分析が困難になってきていることは確かです。
しかしGoogleアナリティクス4(GA4)は、これまでのユニバーサルアナリティクスとは一線を画す新しい分析が必要になります。そのため当面はデータを収集しつつ、ユニバーサルアナリティクスと併用し、使い方やデータの見方に慣れていくことをおすすめします。
※この記事の内容は、2020年11月2日現在のものです。GA4は進化が速く、次々に新しい機能が追加されていますので、最新の情報はGoogleのアナリティクスヘルプからご確認ください。