マーケティングガイド
行動心理学を使ってホームページの売り上げをア・・・
2020.08.07
TRASPコラム
マーケティングガイド
更新日:2023.04.24
公開日:2020.10.28
ホームページ制作において自社のターゲットユーザーに効率よくアプローチを行うためには、ユーザー像を細かく設定することが重要。そんなときに役立つのが、「ペルソナ」設計です。
ペルソナ設計はホームページ制作で欠かせない基本的な作業。
しかし制作の担当者になったばかりの方などは
「設定方法がわからない」
「ターゲット設定と同じではいけないの?」
と思うかもしれません。
そこで今回はペルソナ設計について詳しく知りたい方向けに、ホームページ制作のプロであるTRASPが「ペルソナとは何か」そしてターゲット設定との違いや「設定のメリットや作成手順」などをご紹介していきます。
ペルソナの作り込みにはある程度時間をかける必要がありますが、コツさえつかめばスムーズに工程を進められるでしょう。
目次
ペルソナとはラテン語で「persona」と記述します。つづりを見ると、英語の「person(人)」という単語によく似ていることがわかると思います。
personという英語から想像できる通り、ラテン語のペルソナも本来は「役割、人、人格」などを表していました。そしてマーケティング業界では意味合いが若干変わり、「ユーザー属性を複数細かく設定して、人物像が思い浮かぶようにしたもの」となります。
ホームページに限らず、Webコンテンツの制作においてはペルソナの設定がマーケティング成功のために重要となっています。ペルソナを用いてマーケティングを行うことを、一般的に「ペルソナマーケティング」と呼ぶので覚えておきましょう。
ところで似た意味の言葉で「ターゲット設定」というものがありますね。
では両者の違いはなにかわかるでしょうか?
ペルソナとターゲットは、「自社のコンテンツの対象にすべきユーザー像=顧客のイメージ」という点では同じです。違いは、その設定の細かさ。
ターゲットの場合は、ユーザー像を層として考えます。つまり「20代の関東地方に住んでいる主婦」というようにざっくりとした設定にするのがポイントです。大まかな設定ではありますが、ターゲットを設定するのとしないのとではマーケティングの精度に大きな差が出ます。ターゲットが定まってなければマーケティングは方向性をなくし、むだな労力やコストをかけて成果の出ない施策をくり返すことになってしまうからです。
ターゲット設定を深堀りして具体性を高め、一人の人物像がすぐ思い浮かぶように設定を行ったものが、ペルソナだと考えてよいでしょう。
ここではペルソナを設定すべき目的について、以下の3つを解説していきます。
ペルソナ設定の最大の目的は、ユーザーの立場になって商品に対する印象や感想を考え、ユーザーのもつ悩みやニーズを把握することです。
仮にターゲットとするユーザー像が明確化していない場合、どのような表現を使えば良いのかや、どのような悩みを解決できるのかがわかりません。
美容商品を販売するにしても、「顔の肌乾燥」と「足の肌乾燥」では適切なアプローチ方法が異なります。
とくにホームページは膨大な量の情報が存在するため、ユーザーも自分に当てはまらない内容をじっくりと読むことはないでしょう。
したがってペルソナ設定によってターゲット層の顧客心理を理解し、ホームページ内の文章や訴求に活かすことが重要になります。
マーケティングは一人で行う場合もありますが、基本的には
制作担当:ホームページの制作を担当する
SNS担当:SNSアカウントの運用を担当する
ディレクター:各担当の意見を聞いてすり合わせや指示出しなどを行う
マーケティング担当:各コンテンツの成果分析や改善点指摘などを行う
といったように複数人で担当を決めて行うのが一般的。
したがってマーケティングにおいては、複数人でズレのないよう認識を共有しておくことが重要です。
しかし情報共有で認識のズレをなくすのは、意外と難しいのです。
たとえば「30代の女性」と言われた場合、
などと一人一人の認識の違いによって解釈が異なってくる場合があります。解釈が違うまま作業を行ってしまうと担当ごと・フェーズごとに違うことを行い、間違った施策を実行してしまうトラブルも引き起こしかねません。
この「認識のズレ」をなくすためには、ペルソナ設計が役に立ちます。ペルソナの設定では人物像がだれから見ても明確に思い浮かぶようになっているため、個人の先入観や思い込みなどが介入して認識にズレが起きてしまうのを防げます。
たとえば上記の30代の女性の事例の場合、
というように深堀しておけば誰が読んでも同じようなイメージを思い描けるはずです。
ペルソナ設定は、自社の特徴や強みを客観的に分析するうえでも役立ちます。
なぜならユーザー像を思い浮かべることで、ユーザーの立場から自社商品と競合商品を見比べられるからです。
例えば「普段からSNSを頻繁に見る人」と「雑誌から情報収集を行う人」では、自社商品を知る過程が異なり、購入時に比較する競合も変化するでしょう。
このように客観的に市場や自社商品を分析することで、「SNSでは競合が多いが雑誌では競合が少ない」など新しい発見につながる可能性がうまれます。
ホームページ制作においてペルソナを設定すると、次のようなメリットがあります。
ホームページを使ったマーケティングでは、インターネット上で情報を収集しているユーザーに刺さるコンテンツを用意して、ユーザーが流入してくれるのを待つ必要があります。
このとき「ユーザーが必要としているコンテンツ」と「自社の作ったホームページ」にズレがある場合、ユーザーは「求めている情報ではない」と思いすぐに離脱してしまう可能性が高まります。さらに言えば検索結果に表示されるタイトルを見ただけでクリックせずに去ってしまうでしょう。
そこでペルソナ設定が完了していると、
といったように、細かいユーザー像をもとにコンテンツ設計ができるため、集客における確度が高まり、マーケティングが効率化するでしょう。またズレをなくすことで、コンバージョンにおいても確実な増加につなげられます。
具体的なコンテンツ訴求方法が判明するぶん、ユーザとのずれがなくなるのが、ペルソナ設定のメリットの一つといえます。
上記で説明したように、ペルソナを設定するとコンテンツの内容がブレずに済みます。したがって、作業効率化も狙えるのがメリットです。
コンテンツ制作においてターゲットがあいまいな場合、
といったように迷いが出てくる可能性があります。迷いが多いと作業に時間を取られるようになりますし、余計な施策を実行してしまう危険性も高くなってしまいます。
ペルソナが決まっていれば、「この人物像に届くコンテンツを制作すれば良い」と方向性が決まっているため、迷いなくホームページ制作を進めることが可能です。結果的にホームページ制作やマーケティング施策にかかる時間も短縮され、スピーディーに集客ができるようになるでしょう。
またほかのコンテンツも含めたマーケティング施策においても、必要な施策とそうでない施策が明確になり、余計な施策に時間を取られて作業が非効率になる事態も避けられます。
ペルソナの本領は、改善を行ってから発揮されるといって良いでしょう。
事実を言ってしまえば、ペルソナの設定が最初に失敗しても問題はありません。もちろん最初から成功すれば言うことはありませんが、マーケティングにおいては何であれ得られた成果をもとに改善を行うプロセスのほうが重要です。
ペルソナは細かく属性を決めて設計を行いますが、せっかく設定したからといってもずっと同じペルソナを使わないといけないわけではありません。むしろ定期的にペルソナを調整して改善を行ったほうが、その場その場で適切なマーケティング成果が得られやすくなります。
まだペルソナ設計を行った経験がない方は今の内に設計方法を覚えて、ペルソナに関するノウハウを蓄積しておきましょう。
社内での認識共有のためにはカスタマージャーニーマップの作成がおすすめです。
ペルソナ設計は、思い込みや先入観などが入らないように、データに基づき、次のような手順で制作していきましょう。
まずはペルソナ設定に必要な項目を書き出していきます。必要な項目はBtoCか、BtoBかによって変わるのでチェックしておきましょう。
BtoCでは、下記のように書き出しましょう。
BtoCの場合
BtoCの場合は消費者のペルソナだけを考えれば良いため、BtoBと比較すると作業が楽だといえます。基本的な項目としては
などが挙げられます。
上記で挙げた項目は基本的なものですが、状況によって用意すべき項目は変更する必要性が出てきます。「どんな質問をしても、明確にその人物になりきって回答ができる」レベルにまでペルソナへ項目を落とし込んでいきましょう。
BtoCの設定例はこちら。
BtoBでは、下記のように書き出しましょう。
BtoBの場合
BtoBの場合、相手企業の担当者だけではなく、組織全体の性質もペルソナ設定に影響してきます。したがって担当者のペルソナと組織全体のペルソナ、合計2つを用意してくと安心できるでしょう。
担当者のペルソナには
といった項目が必要となるでしょう。
また組織全体のペルソナには
といった項目が必要になると考えられます。
BtoBの設定例はこちら。
ペルソナ像の作成に必要な項目を書き出した後は、ペルソナ像を探っていきます。
このとき先入観や思い込み、自社が理想とするユーザー像などを内容に盛り込まないようにしましょう。収集できたデータにもとづいて冷静にペルソナ像を作成していくことで、正確な成果が出るようになります。
ペルソナのデータを収集する方法としては、次のようなことが考えられます。
ホームページのアクセス解析ツールでユーザーを調べる
すでにホームページで集客を行っている場合は、アクセス解析ツールでユーザーについて調べましょう。
ペルソナを作るにあたって参考になるのは、次のような情報です。
データ解析によってどんな商品やサービスが好まれているか確認したうえでペルソナを作れば、適切な商材を用意してホームページ上で訴求ができるようになります。
アクセス解析にはがおすすめです。アクセス解析についてわかりやすく解説しています。
既存のユーザーにインタビューを行う
アクセス解析ツールだけでは、ペルソナ作りに必要なデータ収集が不十分なケースも多いです。
ペルソナにおいては、ユーザーの感情や性格といった定性的(数値化しにくい)情報まで含めてデータを収集する必要があります。定性的データを収集するには、既存顧客へのインタビューを活用すると良いでしょう。
といった質問内容を決めておきインタビューを行うことで、どのようなペルソナ像が求められているかの参考情報が手に入ります。インタビューを行う際には聞き出しが上手な担当者を選んでおき、無理なくターゲットから情報を収集できるように準備しておいてください。
現在ではコロナウイルスの影響により、対面でのインタビューが難しくなっています。「Zoom」といったWeb会議ツールを使ってオンラインインタビューを行う方法も検討してみてみましょう。オンラインインタビューであれば地域に関係なくターゲットユーザーに参加してもらえますし場所の確保も必要ないので、インタビューがしやすいです。
顧客管理ツールやオンライン商談ツールを紹介した記事もありますので参考にしてください。
ターゲットとなるユーザーに対してアンケートを取る
インタビューはその場で担当者が直接問題を聞き出す性質上、同時に行う人数には限りがあります。より多くのターゲットユーザーから定性的情報を収集したい際は、アンケートサイトやメールなどを使い既存顧客へアンケートを取る方法も有効です。
インタビューと同じように聞きたい定性的な項目を用意しておき、回答しやすいようにアンケート内にまとめておきましょう。アンケートを配布する際は
といった工夫も必要です。
データが十分に収集できたら、明確なペルソナ像を実際に作成していきます。
物語を想像したり書いたりするのが好きな方は、ペルソナ像を作りやすいでしょう。ペルソナで設定する項目使って文章にすると、ストーリー性が生まれるからです。このためペルソナ設定で時間がかかっている場合は、ストーリー性を意識しながら書き出すとうまくいきやすいです。
たとえば
「運動不足が気になって健康管理アプリを使ってみたところ、運動不足が解消されて無駄のない健康管理が実現した。そこから飛躍して日ごろの業務もアプリで効率化できないかと活用方法を模索している。すき間時間にビジネスに使えそうなアプリを探すのがルーティンになっている。その熱心さは、契約プランのパケットを使い果たしてしまい通信制限を掛けられるほどである。」
というように、物語の登場人物の説明のように、データを基にしてペルソナを書き出せると良いでしょう。ただし物語のように、自分の想像で書いてしまわないように気を付けてみてください。
またペルソナにイラストや画像で、イメージする人物像を添付する手法もよく取られます。人物像を可視化しておくとよりイメージがしやすくなり作業が捗ります。
ペルソナ像が完成したら、次にペルソナを基にホームページを制作していきます。
というように、ペルソナに応じて作るべき内容は変わってきます。逆にペルソナがしっかりしていれば制作の工程も楽になるので、細かい調整にも目が行くようになるでしょう。
ペルソナへの投資は最低限必要ととらえて、じっくり時間をかけて後の作業をスムーズに遂行できるようにしておきましょう。
ペルソナを基にホームページを制作した後は、定期的にデータ分析を行い成果が出ているかチェックします。
など課題が発見された場合は、再びインタビューを行ったりアンケートを取ったりしてどのペルソナ設定で失敗しているのか確認することも重要です。課題に関する質問項目を追加して、解決できるように準備しておきましょう。
マーケティングに使える分析方法について解説した記事がありますので参考にしてください。
ここからはペルソナ設定を成功させるためのポイントをご紹介していきます。
でき上がったペルソナ像が正しいとは限りません。
特に一人でペルソナ像を作っている場合は、たとえデータをもとに作り出したとしても個人の先入観などが入っている可能性が高まります。作り上げたペルソナ像にズレがないかを複数人でよく確認してからマーケティングに活用できるようにすると失敗が少なくなります。
社内の同僚に確認してもらうのも良いですが、ターゲットとなる顧客に近い人物像を持つクライアントがいればその方に話を聞いてズレがないか確認すると確実です。なるべくズレをなくして、実際のターゲットユーザーに対して正しいペルソナになるように調整しましょう。
ペルソナを活用すると、ターゲティング精度が高まるとお伝えしました。
しかしホームページ制作で活用する場合、同じペルソナ設定を複数のページで使いまわさないようにしましょう。
自社のホームページではコンテンツごとに、
というようにターゲットユーザーに違いがあるはずです。しかしすべてに同じペルソナ設定を使い回すと、本来のターゲティング精度を発揮できなくなります。
適したペルソナの設定数というのはありませんが、ターゲットユーザーが変わるのであればその都度ペルソナを変更して適宜調整する必要があるでしょう。ペルソナを使い回すのは、ページごとにタイトルやディスクリプションを使い回すのがSEO上良くないのと同じです。ペルソナ設定が面倒だからと言って、考えるのを放棄して使い回そうとするのはなるべく避けてください。
ペルソナ設定が面倒にならないよう、作業をある程度テンプレート化しておくのもポイントです。ペルソナ設定は状況によって変わりますが、どのような状況でも「かならず聞いておくべき共通項目」はあるはずです。それをあらかじめ書き出しておき、誰でもすぐに使えるようにシート化しておくと情報収集により時間をかけられるようになります。
マーケティングにおいては、「作業に大半を割かれて肝心の分析ができない」という場面が多々発生します。分析作業や改善点洗い出しなどに時間を割けないと、マーケティング精度が下がり失敗の原因になるでしょう。
ペルソナのテンプレート化などで定型的な作業工程を簡略化して、本来時間を充てるべき作業に集中できるようにするのも成功のためのポイントです。
ペルソナ設定と改善は長期的な作業になるので、
Plan:計画を立てる
Do:計画を実行する
Check:計画の実行具合を確認する
Action:Check内容をもとに改善点を洗い出す
というPDCAサイクルをいかに効率よく回せるように体制を整えておくかも重要です。
ホームページの規模が大きいほど、改善すべきペルソナの数も増えていくでしょう。最初から十分なリソースを確保したうえで計画を立案し、余裕をもって行えるようにしておくと確実な制度改善が行えるでしょう。
自社のリソースが足りない場合は、外部の業者にペルソナ設定を含めたホームページ制作のサポートをお願いしてみましょう。ホームページ制作においてはペルソナ設定が重要なので、ホームページ業者は関連のノウハウを持っています。実績などを確認して適切な業者を探してみてください。
TRASPはペルソナ設定を含めたホームページ制作をサポートしています。気になる方はぜひ下記から制作の流れをご確認ください。
ホームページ制作の流れ
今回はペルソナとは何か、そしてペルソナ設定のメリットや手順、成功させるためのコツなどをご紹介してきました。
ペルソナ設定を行えば、ターゲットユーザーのズレを防ぎ、ホームページ制作において集客やコンバージョンなどが行えるようになります。ただしペルソナ設定の際は先入観や理想などを入れず、データ分析やインタビュー、アンケートなどで収集したデータを基に冷静に設定をするように心掛けておくことが重要です。
ぜひペルソナ設定においてもPDCAサイクルを回して、よりよいペルソナを設定できるように努力してみてください。
TRASPは企業の事業内容や、どのような効果を求めているのか、ターゲットやエンドユーザーの想定、デザインのイメージなどを行い、集客できるホームページ制作・リニューアルを行います。無料相談も行っていますのでお気軽にお問い合わせください。
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