マーケティングガイド
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2023.02.13
TRASPコラム
マーケティングガイド
更新日:2023.06.21
公開日:2021.11.26
ひと昔前までは「良いモノを作れば売れる」という時代でしたが、現在は多くの優れた商品・サービスがすでにあふれる世の中になり、単純に良いモノだからといって必ずしも売れるとは限らなくなりました。
この時代の変化に対応して現れた、新しいマーケティング手法が「4C」分析。
4Cはお客さま目線で考える、現在のマーケティング戦略です。
「マーケティングを勉強し直したい」「自社に4Cは役立つの?」と思っている方も多いでしょう。
そこで本記事では、数々のマーケティング事業を手がけているTRASPが、4Cの意味はもちろん、4Cを行う手順、自社に実際に取り入れる方法までまるっと徹底解説!4Cの成功事例もご紹介していきます。
本記事を読めば、4C分析の実践的な方法がわかります。
目次
4Cとは、マーケティングに関する次の4つの要素の頭文字をとったものです。
この4つの要素というのは、顧客が商品を選択〜購入するまでのプロセスに大きな影響を与える要素。
つまり「買い手(顧客)」側からの視点で見たマーケティングとなっています。
4Cは「多様化していった顧客のニーズに対応するためのマーケティング手法」といえます。
そんな4Cはどのようにして誕生した概念なのでしょうか?背景から見ていきましょう。
4Cが誕生する前は、1960年にエドモンド・ジェローム・マッカーシー氏が定義した「4P」の概念がマーケティングの主流でした。
4Pは、4Cと対になる概念で、
の4つの要素の頭文字を取ったものです。では、2つはどのような違いがあるのでしょうか?
4Pと4Cの違い
4P・・・「売り手(企業)側の視点」に立っている
4C・・・「買い手(顧客)側の視点」に立っている
4Pは、大量生産・消費社会という時代背景のなかで提唱されました。
しかし、時代とともにマーケットは成熟していき、次のような変化が起きます。
顧客一人ひとりのニーズに合わせてモノを売るほうが合理的で、企業主体の大量生産・大量消費のやり方は通用しなくなったわけです。
このように顧客視点に立ってモノの売り方を考える必要が出てきたので、1993年、アメリカの経済学者ロバート・ラウターボーン氏が、もともとあった4Pを顧客視点から再定義し、4Cが誕生しました。
では4P・4Cのそれぞれの要素と考え方をみていきましょう。
先に誕生した4Pでは、以下の要素を企業視点で考えます。
製品は、コア機能と付随機能の2点で考えることが重要です。
コア機能
製品の持つ本質的な機能のことで、例えば歯ブラシであれば、「磨く」という機能がコア機能になりますね。
付随機能
他社との差別化につながる優位性を持った機能のことで、仮になくても製品は成り立ちますが、お客さまの満足度につながる部分です。
例えば、電動歯ブラシを軽量化・コンパクト化するなど「携帯性」という付随機能を持たせると、「会社への持ち運びが可能な電動歯ブラシ」市場の開拓ができそうですね。
これら2点以外にも、
といったことまで決めることが、”製品(Product)”に関する戦略を立てるプロセスになります。
商品・サービスの価格(Price)の設定には、次の3つの方法があります。
コスト基準型
製造・仕入れ原価に、コスト(人件費や販促費など)と一定の利益を加えたものを販売価格とする方法。わかりやすいうえ、確実に利益を確保できそうですが、競合他社に対して優位性のある価格設定ができないときもあります。
競争基準型
自社のコスト以外に、競合他社の価格帯といった”外部環境”を考慮して価格設定する方法。優位性のある価格設定ができますが、価格競争に巻き込まれた場合には、市場でいちばん強い競合他社に価格を合わせざるを得ないケースがあります。
マーケティング戦略基準型
外部環境とは無関係に、”戦略的”に価格設定する方法。例えば、ホテルの宿泊料金は、季節や曜日によって値段が変わり、需要に応じた価格設定を行っていますね。そのほか初回割引キャンペーンや、まとめ買いすればお得に買い物できるキャンペーンなども、マーケティング戦略基準型です。
流通チャネル(Place)に関して戦略を決めるときは、商品・サービスを「どこで」提供するかを考えます。主に提供方法は、既存の流通業者を利用する方法と、自社で流通チャネルを整備する方法の2つあります。
既存の流通業者を利用する方法
通信販売など、多くの製品の流通方法で採用されており、コストは低めで効率的に商品・サービスを提供することができます。
自社で流通チャネルを整備する方法
コストがとてもかかりますが、自社チャネルで直接販売することで、販売活動の方向づけや管理を容易にできるほか、アフターサポートなどのサービスを的確に提供できるメリットがあります。高級ブランド商品や高価格少量生産の住宅販売では、コストを利益で十分にまかなうことができるため、自社流通チャネルが活用されています。
またチャネル戦略を考える際は、以下の5つのポイントを検討します。
プロモーション戦略では、自社製品に対する認知を高めたり、製品に良いイメージを顧客に持ってもらうなど、実際の購買につながる方法を考えます。主に、次の4つの方法があります。
広告宣伝
4マス媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)とインターネットを通じて、広告活動を行います。重要なのは、ターゲット顧客の目により多くとまるように、ターゲットの趣味嗜好の分析を行い、「いつ」「どこに」広告を出すかを決めることです。また、表現・メッセージの内容もターゲットに合わせたものにする必要がありますね。
広報・PR
認知の獲得や、好意的なブランドイメージの作成が主な目的です。具体的には、ニュースリリースの発信や、各種のイベントなどの諸活動、最近ではSNSによる発信などが、広報活動といえるでしょう。
人的販売
人的資源を使って営業活動をするプロモーション方法です。例えば、訪問販売なども人的販売に含まれますね。人と人の直接的なコミュニケーションによる営業活動は、認知や購買意欲をあげるのに効果的ですが、人件費が大きくかかるので費用対効果をふまえて検討する必要があります。
セールス・プロモーション
セールス・プロモーションとは、販売促進のための諸活動のことで、例えば店頭でのPOPや陳列、潜在顧客へのダイレクトメールなどが当てはまります。そのほかには、クーポン、キャッシュバック、ポイントプログラムといったキャンペーンも、セールス・プロモーションに分類されます。
4Cでは顧客視点から以下の4要素を考えていきます。
ここで述べる顧客価値とは、製品そのものの機能だけではなく、アフターサービスを受けられる・情緒的ベネフィットが得られる(楽しい気分になれる、優越感に浸れる)といったことまで含めた「広い意味での価値」を指します。
例えば、高級車は機能としては乗り物(移動手段)に過ぎませんが、高級車の価値には、洗練されたデザインや操作性といった部分のほか、「優雅な生活を満喫できる」「周りの人に自慢できる」といった情緒的なところまで含まれるでしょう。
顧客視点で価値を考えると、一つの製品をとっても、さまざまなニーズに応えられる可能性が出てきますね。
顧客にとって、その商品やサービスの価格が妥当なのかを考えます。または、その商品やサービスにいくらならコスト負担ができるのかを考えていきます。
ここでいうコストは、金銭面の負担だけではなく、その商品やサービスを購入・利用することによる時間や手間、心理的負担という視点も含まれることを知っておきましょう。
顧客が商品やサービスを購入するまでの手軽さや利便性の視点で考えていきます。
具体的には、店舗を構えている業種であれば、営業時間やアクセスといった部分ですね。またオンラインストアであれば、Webサイトの使いやすさ、見易さ、決済方法の選択肢の多さなどがあり、考えるべきことは非常に多いといえるでしょう。
逆に希少性の高い製品や高級品などであれば、入手困難であることでかえって人気が沸騰することも考えられます。顧客の求める価値・ニーズに見合った利便性を構築しましょう。
お客さまと企業との間でコミュニケーションが取れているのかを考えます。つまり、企業側のメッセージがお客様に届き、逆にお客さまの声も企業に届いているのかという2つの観点が重要です。
お客さまと企業の双方向のコミュニケーションが円滑にできる仕組みを、どのように構築するのかを考えていきます。
前述したように、古くからある4Pに対して、新しい視点で再定義したものが4Cになります。
それぞれどのように活用すれば良いのか、解説していきます。
4Pは企業目線、4Cは顧客目線でマーケティングを考えるため、同じ要素でも以下のように対になっているのです。
価値(Customer Value)と製品(Product)
企業から見た製品とは、ブランドや機能、品質などです。一方顧客側から見た価値とは、その製品を購入したことによって得られるもの(楽しくなる、満たされる)です。
コスト(Cost)と価格(Price)
企業から見た価格とは製品の価格のことですが、顧客側から見たコストは購入時に支払う代金だけではなく、その価値を手に入れるまでにかかる負担すべてのこと。店頭で購入するには心理的負担が大きい商品はオンライン販売にすることで負担を減らせます。
利便性(Convenience)と流通(Place)
企業から見た流通と顧客側から見た利便性は、表裏一体です。販売する店舗の立地や営業時間、オンラインストアのデザインなど。また、あえて流通を限定することで価値を高めるというマーケティング戦略もあるでしょう。
コミュニケーション(Communication)とプロモーション(Promotion)
プロモーションは主に企業が出す広告や人的営業のことですが、企業からの一方的なプッシュを敬遠する顧客も増えています。情報は与えられるものではなく、自分で探して得るものだという考え方に代わってきている現代では、SNSやコンテンツマーケティングといった、顧客とコミュニケーションを取りながら行うプロモーションを考える必要があります。
ここまで述べてきたように、現代では企業側と顧客側両方の目線でマーケティングを考えていく必要があります。そのため4Pと4Cはどちらか一方だけを活用するのではなく、平行して活用していきましょう。
これまで企業目線で製品の価格や機能、品質を考えてこなかったのであれば、今後は顧客目線に立って製品の価値、負担などを考えていくことです。また企業目線でのプロモーションだけでなく、顧客のニーズやターゲットに刺さる内容の発信を行うのがおすすめ。これをクロスマーケティング(またはマーケティングミックス)といいます。
マーケティングミックスとは、マーケティング戦略の成果を出すために、複数の視点や要素を組み合わせること。
4Cは4Pを再定義したものですが、どちらが重要というわけではありません。4Cと4Pの両方を組み合わせて使うことで、より良いマーケティング戦略を作り上げることができるのです。
またマーケティングミックスが重要視されるようになったのは、顧客のニーズや購買行動が多様化したことでより個別なマーケティングが必要とされる時代になったため。単一のマーケティングツールのみでは時間の経過とともに効果も薄れてしまうため、あらゆる手法の良い部分を使って戦略をたてる必要があるわけですね。
ここからは自社のマーケティング活動に4C分析をどうやって取り入れていくのか具体的に見ていきましょう。
4C分析は、新しいアイデアを生み出す上で重要なフレームワークです。組織内で新商品・新サービスの企画案ができたら4C分析を活用し、それぞれの要素が顧客にもたらす影響を客観的に分析してみましょう。
開発者や担当者の主観を入れず、顧客の視点から4Cの要素が魅力的なものになっているかを検証することが重要です。
企業が扱う既存の商品・サービスは、長年取り扱っている商品であればあるほど、時間の経過や社会環境の変化などによって、現在の顧客ニーズとかけ離れてしまうことがあります。
最初の企画段階ではカスタマージャーニーを設定し、ターゲット層にフィットしていたとしても、定期的に見直し・改善を行う必要があるでしょう。また、自社のヒット商品などに4Cを照らし合わせて、顧客になぜ選ばれたのかを解析することもおすすめです。
市場調査により競合他社を決定し、そのブランド力や戦略を分析することは重要です。
自社の商品・サービスに魅力や価値があったとしても、他企業が同等のものを販売していたり、よりよいものを取り扱っていたりする場合は、競争に打ち勝つための施策が必要になるでしょう。
マーケティング戦略を練り上げ、他社との競争を優位なものにするためには、4C分析を他社との比較に活用する方法があります。競合他社は売り上げも含め現在どのような状況にあるのか、ターゲット層からニーズまで、詳しく分析しましょう。
では、実際に4Cと4Pを用いて、どのように戦略立案をするか見ていきましょう。
マーケティング戦略
マーケティング戦略
マーケティング戦略は、製品やサービスを顧客へ効果的に販売するためのプロセスになります。
具体的には以下の3ステップを行うと良いでしょう。
まずはじめに、3C分析を活用して自社を取り巻く環境を知ります。
1.Customer(市場・顧客)
自社が勝負したい市場や、集客したいターゲットについて理解していなければマーケティングは始まらないため、はじめに分析すべき要素が、Customer(市場・顧客)です。
市場:成長率、規模、変化など
顧客:購買行動、購入プロセス、消費者人口、ニーズなど
2.Competitor(競合)
つづいて分析するのがCompetitor(競合)です。
競合の段階では、競合他社の売上や市場のシェア率など、数値的な情報から企業の特徴を分析していきます。
3.Company(自社)
最後に分析するのがCompany(自社)です。
前述で分析した「市場・顧客」と「競合」の情報を軸に、自社の経営戦略を考えます。
次にSWOT分析で自社の「S(Strength=強み)」「W(Weakness=弱み)」「O(Opportunity=機会)」「T(Threat=脅威)」を知りましょう。工務店の具体例を書き出してみましたので参考にしてください。
各要素 | 具体例 |
---|---|
S(Strength=強み) |
|
W(Weakness=弱み) |
|
O(Opportunity=機会) |
|
T(Threat=脅威) |
|
まずは箇条書きで書き出してみるとスムーズに分析を進めやすくなります。
効率的に進めるためには、ターゲットを絞り込んだうえでマーケティングを行いましょう。
マーケティングミックスを活用するときは、STP分析を行います。
STPは、
の略で、それぞれ市場の細分化、ターゲット市場の決定、ターゲット市場における競争優位性の設定を行うことを意味しています。
つまり、ニーズの市場を把握し、自社がどこでどのような価値を提供するかを明確化させるわけですね。
STP分析ができていない状態では、正確な4C分析は行えません。市場を細分化して絞り込み、自社商品やサービスを必要とするニーズを熟知してから4C分析を行うようにしましょう。
STP分析を参考にマーケティングミックスの4C、4Pの各要素を書き出します。
そして、内容が適切であるか、先に述べたそれぞれの要素間に矛盾はないかを確認しましょう。
ここでは、4C分析を活用したマーケティングの事例を紹介していきます。
スターバックスコーヒーは、世界中に3万以上の店舗数をもち、日本でも人気のあるコーヒーチェーン店です。
スターバックスの4P分析はこちら。
Product(製品)
価格ではなく店内の雰囲気や居心地の良さ、店員の接客スタイルを確立。
「サードプレイス」といわれる独自のブランディングに成功した。
Promotion(販促活動)
ブランドイメージを守るためにテレビCMやチラシなど一方的な媒体は使用せず、ソーシャルメディアの活用・利用した顧客が体験した口コミによって広告費用をかけずに高い集客効果を得ている。
では4C分析をみていきましょう。
Customer Value(価値)
店内の雰囲気や居心地の良さ、店員の接客スタイルによって感じられる、特別感のある「サードプレイス」でコーヒーを飲むひととき。
Cost(コスト)
コンビニ以上、喫茶店以下の「手頃な価格」。本格的なコーヒーを300円台から飲める。
Convenience(利便性)
駅前や幹線道路沿いなど、行きやすい場所に店舗があり、自宅近く・職場の側・よく行くショッピングモールなど地域に複数の店舗がある。
モバイルオーダーやドライブスルーなど、複数の受け取り方法がある。
Communication(コミュニケーション)
バリスタと呼ばれるスタッフとの会話。カップにメッセージを書いてくれることも。
スターバックスカード登録で会員限定の先行情報をもらえたり、お得な企画などに参加できる。
ユニクロは、海外にも進出している日本のアパレル企業です。
ユニクロの4P分析はこちら。
Product(製品)
どんな服とでも組み合わせられる、シンプルかつかつ高品質の服というコンセプトを貫いている。
保温効果の高いヒートテックは、ユニクロの代表的な商品。
Price(価格)
取り扱い製品の種類が多く、オンラインでは通常の店舗にはないカラー・サイズも展開。
安くて質の良い製品を提供している。
では4C分析をみていきましょう。
Customer Value(価値)
ファッション選びに慣れていない人でもユニクロを着れば間違いないという安心感。
Cost(コスト)
ファッションに興味がない層でも選ぶ手間がかからないスタイリングを提案している。
Convenience(利便性)
オンラインショップで店舗と同じ商品が購入可能。オンライン限定のデザインやサイズを展開している。
日本中、世界中に店舗があり、いつでも普段着が買える。
Communication(コミュニケーション)
SNSやアプリでコーディネートを発信。
4C分析について、どのような背景で誕生し、どのようにマーケティング戦略に使われるのかおわかりいただけたでしょうか?
4Cと4Pの両方を組み合わせて使うことで、より良いマーケティング戦略を作り上げることができます。4つの要素を対にして考え、自社製品・サービスを検討してみることが重要です。
ぜひ本記事の内容を参考に、自社の戦略立案に役立ててみてくださいね。
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