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2021.01.28
TRASPコラム
マーケティングガイド
更新日:2023.03.22
公開日:2022.01.06
企業のマーケティングで、「統計分析」に興味を持たれている担当者さまも多いのではないでしょうか。
そのなかで、
「マーケティングにおける統計学や統計分析とは?」
「統計分析の基礎知識や種類を知りたい」
このように悩まれている方もいらっしゃるでしょう。
そこで、この記事ではマーケティングに使える統計分析の手法5つを、プロが初心者にもわかりやすく実践的に解説!さまざまな企業のWeb集客を手がけたTRASPが、統計学や統計分析の概要、統計分析で得られるメリットなども詳しくまとめました。
目次
マーケティングでよく活用される統計分析とは、「大量のデータを集めて統計学に基づいて分析、その結果からデータに含まれるパターンや傾向を把握して、さまざまな視点から仮設・検証を行っていくこと」を指します。
「統計学とは?」という疑問をお持ちの方は、以下をご覧ください。
統計学
また、統計分析は「記述統計」「推計統計」のカテゴリーに分かれていますので、次の項目で詳しく見ていきましょう。
記述統計とは、上記の図のように標本(=データ)を母集団(=答え)として、わかりやすく表現する手法。データから性質や傾向を掴んで要約する分析を指しており、主に「クロス集計」「単純集計」などが挙げられます。
記述統計|特徴
“わかりにくいデータを、わかりやすく変換すること”を目指している
ほとんどの場合は「標本=母集団」として捉えられる(※データがなければ、明確な答えを出すのは困難)
作成されたグラフや表から、さまざまな特徴を抽出することも多い
一般的には「平均身長」「平均点」「平均値」を求める際に、記述統計が使用されることが多いです。
平均身長を求める場合
日本人女性と欧米人女性をそれぞれ150名ずつ集めて身長を計測、150名分のデータを集めたと仮定します。それらのデータを単純に比較するだけでは何も判断できないものの、統計分析を通じて1つの答えを導くことが可能。この場合であれば、日本人女性の「平均身長」と欧米人女性の「平均身長」を計算することで、平均的な身長差を求められます。
また、マーケティングにおいては「売上・問合せ件数のチェック」「サイトの閲覧数などをモニタリングする」といった場面で活用されています。
推計統計とは、上記の図のように標本(=データ)に基づき、母集団(=答え)を導く手法のこと。限られたデータサンプルから、調査したい母集団全体の特徴を推計するための分析を指しており、主に「多変量分析」「検定」などが挙げられます。
推計統計|特徴
記述統計よりは歴史が浅い学問
“集められたデータは、大きな母集団の中の小さな標本に過ぎない”という考え方
データがなくても、明確な答えを推測することが可能
一般的には「日本人全体の平均年収について統計を取りたい」という場合に、推測統計が使われることが多いです。その場合、最低限必要なサンプルデータを収集、推計と呼ばれる手法を用いて”母集団”となる日本人全体の平均年収を求めることになります。そのほか、「テレビ番組の視聴率」「選挙の出口調査」で活躍することも。
また、マーケティングにおいては「ユーザーの嗜好、行動履歴の把握」「打ち出す広告の種類・内容を検討していく」といった場面で活用されています。
企業にマーケティングが必要な理由を解説していますので、詳細は下記の記事をご覧ください。
マーケティングをするうえで、統計分析は欠かせない存在となります。
なぜなら、データの意味を明確化する必要があるためです。
統計分析とは、このように日々蓄積される膨大なデータから、「どのように活用できるか」「自社が打ち出した施策は成功だったのか」をマーケターに示してくれます。したがって、マーケティングに統計分析を取り入れれば、より自社の利益UPに貢献するでしょう。
マーケティングで活用できる統計分析手法として、次の5つが挙げられます。
回帰分析
SVM(サポートベクターマシン)
バスケット分析
クラスタリング分析
主成分分析
自社の掲げる目的や現状に応じて、最適な手法を選びましょう。それぞれを詳しく説明していきます。
回帰分析とは「特定のアクション(=説明変数)が、その結果(=被説明変数)にどのような影響を与えたのか」といった因果関係を、関数によって明確化させる手法です。また、回帰分析といっても、このようにさまざまな種類があります。
単回帰分析:一つの変数から一つの変数を予測する
重回帰分析:複数の変数から一つの変数を予測する
さまざまな事象の関連性を視覚化できる回帰分析は、「売上高」や「ユーザー数」などを割り出すときに用いられます。加えて、関連性から特定の事象を予測することも可能です。
自社の商品・サービスをよく利用する顧客とそうでない顧客を分析するなど、将来の売上予測が立ちやすい点もメリットだと言えるでしょう。
SVM(サポートベクターマシン)とは、特定の集合体を2つのクラス群に分け、未知のデータがそのどちらに属するかを判別する手法です。2つのクラス群に分けるとは、“人の顔写真の特徴から、男性の写真と女性の写真を判別していくこと”などが該当します。
また、的確にカテゴリーを予測するSVMは、以下のような場面でよく活用されています。
精度が高くなればなるほど、“将来ユーザーがどのような行動を取るか”という動きを予想しやすくなります。
「データの次元が大きくなっても識別制度が落ちにくい」「過学習リスクも低く、誤検知が生じにくい」といった点も魅力的な手法です。
バスケット分析とは、主にECサイトなどで「顧客の買い物かご(=バスケット)に何を入れているか?」を分析する手法です。顧客が一度の購買で“どの商品同士を購入したか、もしくはどのカテゴリー同士の商品を購入したか”といった、組み合わせを確認していきます。
ECサイトのレコメンドシステムをはじめ、「顧客がいま求めている商品・サービスは何か?」という課題を解決する場面で活躍するでしょう。また、バスケット分析では「Aという条件があるときに、Bという事象が起こる確率」の計算もOK。加えて、ある一定の規則性や関連性を見出して、顧客の行動パターンを分析することもできます。
POSデータを分析するときに活用しやすく、「販売に力を入れるべき商品の特定」「キャンペーン企画の立案時」などで大きく役立つでしょう。
顧客のセグメント作成時、過去のデータに基づいて新たなデータを紐づけていく手法が「SVM(サポートベクターマシン)」。一方で、現状で同じカテゴリーに該当するデータをまとめ、分類していく手法がこの「クラスタリング分析」です。具体的な活用例としては、次のようなものが挙げられます。
また、クラスタリング分析は教師なし学習の一種として扱われており、顧客セグメント作成時以外では「Webサイトの閲覧分析」などに適しています。これらに当手法を用いれば、いままでにない新しいカテゴリーを発見できる可能性が高く、新しい市場や分野を発見できることも。
結果的に自社が想像していなかった層へのアプローチが実現するため、新しい顧客創造にも貢献します。
主成分分析とは、数多くある変数を細分化して集約し、そこで集めたデータを簡略化する手法です。
クラスタリング分析と混同されやすいですが、このように明確な違いがあります。
クラスタリング分析:サンプルをグループ分けする方法
主成分分析:変数をグループ分けする方法
例えば、ECサイト上で顧客が膨大な量の商品を購入したと仮定します。それらすべてを変数化して分析を行うのは、非常に非効率で負担がかかってしまいますよね。
そこで、その顧客が購入した商品に主成分分析をかければ、「日用品」「嗜好品」といった合成変数が完成します。そのため、2つの軸でデータを分析することが可能です。
このようにデータの可視化を簡略化しやすいため、新たな特徴値を把握できるケースも目立ちます。したがって、「マーケティングにおいて、解釈容易性を上げたい」という場面に効果的でしょう。
マーケティングの4Cなど分析手法に関しては、こちらで詳しく解説しています。
統計分析では、さきほど解説した「記述統計」「推測統計」のカテゴリー以外にも、「教師あり学習」「教師なし学習」といった学習方法による違いがあります。
教師あり学習
学習したデータに正解をラベリング、答えを紐づけていく方法
教師なし学習
学習したデータにラベリングをせず、そのまま答えを導き出す方法
また、機械学習と各分析手法の関係性は以下の通りです。前の項目で挙げた「回帰分析」は教師あり学習の一種、「クラスタリング分析」は教師なし学習の一種となっていることがわかりますね。
このように統計分析は、さまざまな学習法と統計学によって成り立っています。そのため、導入時には「どこを重視してマーケティングを実施するのか」「どのようなデータを求めているのか」といった点に注意し、自社に最適な手法を取り入れていきましょう。
マーケティングに統計分析を用いるメリットとして、次の3点が挙げられます。
データへの共通認識が高まる
スピーディーな意思決定が可能
新たなチャンスを掴みやすくなる
各企業には大量のデータが存在しますが、収集や統合がしっかりできていないことも多いです。その場合、データの全容を把握しているのは、あくまでも担当者のみとなっているケースも珍しくありません。
そこで、統計分析を用いてデータを視覚化すれば、社内での共通認識も高まっていきます。そうすれば、課題や次に必要とされるアクションも共有しやすく、チームワークを強化できるためです。結果的にいち早く成果につながる可能性が高まるため、効率良くマーケティングに取り組めます。
何かを意思決定する際、データがなければどうしても社員の経験や勘に頼らざるを得なくなります。
しかし、統計分析を用いれば「必要なデータの蓄積」「長年の売上や市場の動向から、客観的かつ信頼度の高い情報を瞬時に得ること」が可能。
マーケティングにおける意思決定を大きくサポートしてくれるため、必要なアクションを実行に移すまでのスピードUPを図れます。
過去のデータから統計分析を行えば、客観的な基準を把握しやすくなります。
このように経験や勘だけに頼るよりも、理論に基づいて成功への近道を探れるように。プロジェクトの方針が何も定まっていない場合などにも有効なので、自社にとっての新たなチャンスを掴みやすくなるでしょう。
Webマーケティング市場は、下記グラフのように年々需要が高まっています。また、Webマーケティング市場と同様に、市場調査やリサーチを専門としたマーケティング部門を設置する企業も増えているのです。
このような流れが加速しているため、今後もWebマーケティングでデータ活用する重要性は高まっていくでしょう。
一方で、統計分析で得られたデータは流動的なものになるため、注意が必要です。テクノロジーは常に変化を遂げており、グローバル化の流れも著しくなっています。予測していたデータ自体が大きく変動することも珍しくないため、常に次の3点を意識しましょう。
データの蓄積
分析や仮説を出し続ける
必要なアクションをスピーディーに実施
目まぐるしく変わるマーケティング市場において、統計分析は非常に重要な存在!「自社の利益向上を図りたい」「顧客を増やしたい」と考えている企業は、統計分析の導入をぜひ検討してみてください。
マーケティングの成功事例はこちらの記事で紹介しています。
また、当社では数多くの企業の市場分析やアクセス解析を手がけてきました。実際の改善事例を含め、詳細を下記ページで詳しく説明しています。
アクセス解析ページこの記事では、マーケティングに使える統計分析の手法5つを徹底解説しました。
さまざまなメリットを持つ統計分析は、マーケティング市場においてニーズが高まっています。数多くの手法が存在するため、自社の目的や現状に応じて適切なものを選択することが大切です!各手法の特性を理解し、上手く活用していけば自社の集客率UPに大きく役立つでしょう。
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