SNSマーケティングで失敗する原因とは?戦略・運用の超実践的手法
SNS運用
更新日:2023.03.21
公開日:2023.02.17
SNSをはじめたけど、
- 「なかなかフォロワーが増えない…」
- 「コメント・いいねがまったくこない」
- 「SNSを伸ばす方法を知りたい」
と考えている、企業のWeb担当者や経営者の方も多いのではないでしょうか。
SNSは手軽に始められるマーケティング手法ではありますが、成果を出すには具体的な戦略と継続した運用が必須です。
そこで本記事では、企業のSNSマーケティングでよくある失敗をピックアップし、ビジネスにつなげるための活用術をまとめました。
SNSマーケティングで多くの企業を支援してきたTRASPが、SNSマーケティングの失敗事例を解説し、実践的な運用手法をお教えします。
目次
企業のSNSマーケティングでよくある失敗とは?
これからSNSマーケティングを始める方は、どのような失敗が多いのかを知っておくだけで事前にリスク回避ができます。そこで本項目では、企業のSNSマーケティングでよくある失敗について3つ紹介していきます。
- ユーザーに不快感を与えてしまう
- 企業の悪評が広まる
- 集客できずに放置してしまう
1.ユーザーに不快感を与えてしまう
投稿内容によっては、ユーザーに誤解や不快感を与えてしまう場合があるため注意をしましょう。
具体的には以下のようなケースです。
- 宗教的な話題を出す
- ジェンダー問題にかかわる話題を出す
- ユーザーを見下すような表現をする
よくある例として、ただ自社の魅力を伝えるつもりが「知らずにユーザーを見下す表現になっていた」ことが挙げられます。
例えばダイエット商品を扱っている場合、ビフォー・アフター画像を用いるパターンは多いといえるでしょう。しかしビフォーの様子に対して批判的な表現をすると、不快感を与える要因となります。
このように企業目線とユーザー目線では捉え方が異なるため、企業・商品イメージを理解したうえで投稿内容を考えることが重要です。
2.企業の悪評が広まる
SNSマーケティングは拡散力の高さが武器になりますが、場合によっては企業の悪評が広まる可能性もあるため注意が必要です。
例えば「接客態度の良さ」を売りにしている店舗で、実際の接客態度が悪ければ、お客さまは「話と違う」といった印象を抱いてしまいます。些細な内容でもSNSに投稿されれば、またたく間に日本中へ広がってしまうでしょう。
ほかにも無理なキャンペーンを打ち出すなど「SNS上で良く見せよう」とばかり考えていると、いずれ欠点が出た場合の的にされてしまいます。したがって誇大な表現や、継続的に実行できない取り組みを避けることが大切です。
3.集客できずに放置してしまう
SNSマーケティングで最も多い失敗例は、集客効果が得られず、途中で挫折してしまうケースです。
現代では企業・個人を問わず、SNSをビジネス目的で活用している人が多くいます。また費用をかけずに始められることから、取り組みやすい集客施策の一つといえるでしょう。
しかしSNSを伸ばすには長期的な取り組みが必須となり、基本的には3ヶ月〜1年は投資期間として考えなければいけません。
そのためSNSをはじめるには計画的な戦略、そして継続的な運用体制をしっかりと整えるようにしましょう。
SNSマーケティングで失敗する原因3つ
SNSマーケティングで失敗する原因では、主に以下3つの理由が挙げられます。
- 戦略が立てられていない
- 運用体制が整えられていない
- 炎上のリスクを避けられていない
現状SNSマーケティングがうまくいっていない場合は、上記の項目について順番に確認していきましょう。
1.戦略が立てられていない
SNSに限らずWeb集客全般にいえることですが、マーケティングでは戦略設計が最も重要です。
なぜなら適切なゴール設定やターゲティングができていない場合、効果を得られない投稿や媒体選びを行ってしまうからです。
「SNSは人気があるから」といった理由だけではじめてしまうケースが増えていますが、そもそも自社商品・サービスとSNSマーケティングがマッチしていない可能性もあります。
また具体的な戦略が立てられていない場合、施策の改善ができずに失敗してしまうパターンも増加するため、かならず自社に合わせた目的設計・数値を活用した改善を行うようにしましょう。
2.運用体制が整えられていない
戦略に次いで多い失敗要因は、継続的に投稿するための運用体制が整えられていないケースです。
SNSマーケティングでは各媒体の特徴を理解したうえで、最適なコンテンツを制作する必要があります。例えばInstagramでは画像主体の投稿、Twitterでは文字主体の投稿など、媒体ごとにコンテンツ内容はさまざま。
またトレンドに左右されやすく、Instagramでも「最近はショート動画を活用したコンテンツ」が流行るなど、ユーザーから反応を得られるコンテンツは日々変化しています。
そのため「ただコンテンツを量産できる運用体制」ではなく、「ユーザーのニーズに合わせたコンテンツ制作の運用体制」が重要となり、リサーチ力や企画力など多くの要素を考えなければいけません。
3.炎上のリスクを避けられていない
SNSマーケティングを実施するうえで最も避けなければいけないことは、企業の悪い面が拡散される「炎上」のリスクです。
近年では「炎上商法」といった「わざと炎上して注目を集める方法」も取り上げられていますが、基本的に炎上では自社の悪評が広まります。そのため数年後もデジタルタトゥーとして残り続けるデメリットがあり、企業アカウントとして運用するからには、かならず炎上を避けるようにしましょう。
またアルバイトの投稿によって炎上する「バイトテロ」や、お客さまの投稿によって炎上する「バカッター」の存在もあるため、さまざまな側面から注意を払う必要があります。
SNSマーケティングの失敗事例3選
実際にSNSマーケティングでは、すべての企業が成功しているわけではありません。大企業でも失敗に終わったケースもありますので、以下の事例をもとに自社の戦略に活かしていきましょう。
- マクドナルド
- トヨタ
- KIRIN
1.マクドナルド
2012年、マクドナルドでは「お客さまがマックを利用した際のエピソード」を集めようと考え、Twitterで「#McDStories」を活用したキャンペーンを打ち出しました。
SNSではハッシュタグを用いることで、共感したユーザーからの投稿が集まり、拡散力を高められるというメリットがあります。
しかしマクドナルドのキャンペーンでは、残念ながら「商品の批判・クレーム」に対する投稿が多く、結果的にネガティブな意見が集まってしまった事例です。
SNSは誰もが気軽に投稿できる点が強みですが、かならずしも「良い意見」が集まるとは限りません。そのため事前にどのような意見が集まるのかを予想し、プラス面とマイナス面を天秤にかけたうえで活用することが重要です。
2.トヨタ
自動車メーカーであるトヨタでは、2019年にTwitter上の不適切な投稿によって、多くの非難を集めるきっかけとなりました。
投稿内容はこちら。
- 「女性ドライバーの皆様へ質問です。やっぱり、車の運転って苦手ですか?」
「やっぱり」という言葉が女性を軽く見ていると捉えられ、投稿内容を問題視するコメントが殺到。結果的にトヨタ側が謝罪を行うまでに問題が発展しました。
実際はそう思っていない場合でも、文章の絶妙なニュアンスによって、伝え方が変化する可能性はあります。そのため日々の投稿においても、さまざまな視点で内容を精査し、見ている人を不快に感じさせないことが重要です。
3.KIRIN
2020年、KIRINではユーザー参加型のキャンペーンを実施しようと考え、以下のような投稿を行いました。
- 「#私らしいエシカル」な暮らしの様子を投稿してください。
- 投稿した人の中から、抽選で10名様にオーガニックワインをプレゼント。
エシカルとは、公式サイト上で「人と地球環境を考慮して作られたモノを購入、消費すること」と定義しています。
しかし多くの方にとってエシカルという言葉は馴染みがなく、上記のキャンペーンは参加者がほとんど集まらずに終了。
ときには造語が流行するような場合もありますが、当事例のような投稿型のキャンペーンでは、いかに「ユーザーが気軽に投稿できるか」「参加できるか」を考えることが大切です。
成功事例はこちら。
SNSマーケティングで失敗しない戦略の立て方
つづいてSNSマーケティングを成功に導く戦略の立て方について、以下の4ステップから解説していきます。
- 運用目的の明確化
- ターゲット・競合調査
- SNS選定
- 投稿内容・頻度の選定
1.運用目的の明確化
SNSマーケティングでは運用目的によって、ユーザーへのアプローチ方法や投稿内容を変化させる必要があります。そのためまずは、どのような目的でSNSを活用するのか、具体的な運用目的を明確にしましょう。
- 企業のブランディングを図る
- 新規顧客を獲得する
- ホームページへの流入を増やす
仮にブランディング目的であれば、投稿内容の世界観や雰囲気が重要です。対して顧客獲得が目的であれば、世界観よりも「ユーザーが商品・サービスを欲しい」と思わせる内容が求められるでしょう。
さらに「1,000PV増加」など数字を用いた達成目標があると、より具体的な戦略が立てやすくなります。
2.ターゲット・競合調査
つづいて、アプローチするターゲット選定・競合調査を行います。
SNSでは自由にユーザー・企業アカウントを閲覧できるため、まずは「自社のターゲット像が調べそうなキーワード」から調査していきましょう。
とくに意識すべき点は、競合アカウントの「拡散されている投稿」です。なぜなら「拡散されている投稿→ユーザーから需要のある投稿」であることがわかるため、コンテンツを考える際に役立ちます。
また「TikTokビジネスセンター」のように他人の投稿を分析できる無料ツールも存在するため、再生回数が多い投稿・ユーザーからのコメントが多い投稿などから、ユーザーのニーズを分析しましょう。
3.SNS選定
ターゲット像・競合調査を行った後は、自社にとって勝算のあるSNS媒体を選定しましょう。
SNSを選定する際は、各媒体の特徴を考えることが重要です。
- 10代~20代の女性を中心に、若年層が多い。
- 画像投稿・ショート動画が多く、視覚的訴求を行う場合に優れている。
- 若年層を中心に、比較的幅広いユーザー層がいる。
- 文字を主体とした投稿スタイル。
- リツイート機能によって拡散力が高い。
LINE
- メッセージアプリとして活用され、最もユーザー数が多いSNS。
- 公式アカウントから店舗情報・クーポン情報を発信できる。
- 店舗型ビジネスへも誘導しやすい
媒体によって投稿スタイルも異なるため、自社の運用体制をふまえたうえで考えるようにしましょう。
4.投稿内容・頻度の選定
SNSではユーザーと気軽にコミュニケーションを取れる点がメリットです。そのため定期的にコンテンツを更新し、積極的にユーザーと関わる機会を増やしていきましょう。
またSNSの投稿頻度も重要な要素の一つ。例えば年に1回しか投稿しないアカウントであれば、大半の方はフォローしようと思わないはずです。
対して毎日投稿をしているアカウントであれば、ユーザーの目にとまる機会が増加し、いつの間にか生活の一部となります。
このように投稿頻度によって影響力も左右されるため、最低でも週1〜程度は投稿できる状態を維持しましょう。
SNSマーケティングで失敗しない運用のコツ
ここまでSNSでよくある失敗例や企業の失敗事例について紹介してきましたが、最後に失敗を避けるうえで重要な要素を以下の3つから解説していきます。
- ユーザーが共感するコンテンツをつくる
- 投稿内容の分析を行う
- 炎上対策をする
SNSをはじめる際は、上記を注意して運用しましょう。
1.ユーザーが共感するコンテンツをつくる
SNSマーケティングの成功には、SNSの強みである「拡散力」を活かすことが求められます。そのためにはユーザーが共感するコンテンツづくりによって、「この投稿・内容をシェアしたい」と思わせることが重要です。
共感するコンテンツ例
- 知っているだけで役立つ豆知識
- 仕事・職場のあるあるネタ
- 業界人しか知らない裏技
企業アカウントであれば、業界特有の豆知識や裏技があると、オリジナル性の高い投稿になるでしょう。ただしユーザーのニーズとマッチしていることが重要なため、ニッチな内容を扱う場合は注意が必要です。
2.投稿内容の分析を行う
SNSマーケティングでは、ユーザーの反応から投稿内容の良し悪しを判断するようにしましょう。
各SNSには分析機能が備わっているケースも多いため、どの程度のエンゲージメント・フォロー推移なのかなど、まずはデータを確認する習慣づくりが重要です。
- フォロワー数
- フォロワー属性
- エンゲージメント数(いいね・コメントなど)
- 視聴回数
- 視聴維持率
媒体ごとに詳細な項目は異なるものの、まずはユーザーの反応が反映されやすいフォロワー数や視聴回数を意識することが大切です。
3.炎上対策をする
SNSマーケティングを実施する以上、炎上対策はかならず行いましょう。
具体的な対策内容はこちら。
- 投稿内容を3人がかりで確認する
- 炎上につながりやすいテーマを避ける
- 社員・アルバイトにネットリテラシーをみにつけさせる
近年では企業アカウント外の投稿によって炎上するケースも増えています。とくに若年層アルバイトによる炎上被害が多いため、研修などをとおして「炎上による被害」「賠償責任」をしっかりと伝えるようにしましょう。
まとめ
そこで本記事では、企業のSNSマーケティングでよくある失敗をピックアップし、ビジネスにつなげるための活用術を紹介してきました。
企業のSNSマーケティングでは、以下が失敗要因として挙げられます。
- ユーザーに不快感を与えてしまう
- 企業の悪評が広まる
- 集客できずに放置してしまう
マーケティングでは実行前の市場分析やテストマーケティングが欠かせません。戦略によって成功が決まるといっても過言ではないため、失敗を避けるうえでは、丁寧なリサーチと戦略設計を行うようにしましょう。
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