現金や財布をもたずにキャッシュレス生活はできる?リスクを検証
iPhone・スマホ関連
更新日:2023.04.05
公開日:2019.10.10
コロナ禍の影響もあり、急速に広まったキャッシュレス決済。
すでに利用されている方も多いのではないでしょうか?
スマホひとつでなんでも買える時代。では、もう現金や財布は不要なのでしょうか?
今回はWebマーケティングのプロであるTRASPが、「現金や財布をもたずにキャッシュレス生活ができるか?」に焦点を当てて、キャッシュレス決済のメリットをおさらいしながら、リスクやデメリット面についてもわかりやすく解説してみます。
目次
そもそもキャッシュレスって何?
キャッシュレスとは簡単に説明すると、「現金(紙幣や硬貨など)を使用しない状態」のことで、キャッシュレス決済とは「直接の現金(紙幣や硬貨など)のやりとりをせずに商品やサービスの支払いをすること」を指します。
最近よく耳にする言葉ですが、Suicaやクレジットカードもキャッシュレス決済の種類なので、そう考えるとずいぶん昔からあったということですね。
キャッシュレス決済の種類と使い分け方法
キャッシュレス決済と一言で言っても、その中にはさまざまな種類があり、種類によって使用できる店舗も異なります。それぞれの特徴を知って、シーンに合わせて使い分けましょう。
クレジットカード
クレジットカードはキャッシュレスの中で、もっともポピュラーと言えます。
引用:消費者庁「キャリア決済を中心としたキャッシュレス決済の動向整理」
QRコード決済や電子マネーが急速に普及しているとはいえ、依然としてクレジットカードは高い使用率をキープしています。
分割払いやリボ払いなどの支払い方法も多彩で、使用できる店舗や付帯するサービスも大変多く、現時点では使い勝手はもっとも高いと言えるでしょう。
デビットカード
こちらはクレジットカードと少し似てはいますが、デビットカードと口座が紐づけられており、デビットカードで支払うと口座から即時引き落としをされる形となります。
クレジットカードと違い、審査も不要なためクレジットカードよりも気軽に発行することも可能。銀行のカードにデビット機能が付帯しており、そのままお店での決済に使用できるタイプもあるため便利です。
電子マネー
こちらも近年では一般的になってきたキャッシュレス決済の一つです。
カードやアプリにあらかじめチャージすることで、支払いに使用できます。なかでも交通系の電子マネーは通勤やレジャーなどの移動時には多くの方が使用されているでしょう。
電子マネーは大きく分けると交通系と商業施設系の2つの種類があります。
交通系
SuicaやPASMO、ICOCAなどの鉄道会社が発行しているもの
商業系
nanacoやiD、楽天Edyなど
支払い方法は現金を事前にチャージして使用する「プリペイド型」に加えて、最近では事前にお手持ちのクレジットカードを登録して使用する後払い方式の「ポストペイ型」があります。
QRコード決済・バーコード決済
こちらは最近、急速に普及しているキャッシュレス決済方法で、ひとくくりに「コード決済」と呼ばれることもあります。若い世代を中心として現在も拡大中の決済方法です。
さまざまなキャンペーンを打ち出し、クーポンなどと連動したり、還元率が非常に高かったりする点が特徴。
引用:消費者庁「キャリア決済を中心としたキャッシュレス決済の動向整理」
2018年と比べると2020年には25倍以上もの市場規模になって、どれほど急速に広まったかがわかりますね。
その背景にはコロナ禍での非接触の推奨と、2019年に政府が実施した「キャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス決済時のポイント還元)」があります。消費税が8%→10%に引き上げられるタイミングで消費の落ち込みを防ぐために、キャッシュレス決済で2~5%が還元されたキャンペーンは記憶に新しいでしょう。この時期にコード決済を新たに登録したというユーザーも多いと思います。
引用:株式会社ヴァリューズ「スマートフォン決済アプリの最新動向を調査!」
ユーザー数はPayPayがトップで、ほぼ独走状態となっています。
コード決済が使える店舗であれば、ほとんどがPayPayに対応していると思って良いでしょう。一方、ほかのLINE Payやメルペイなどは、コード決済のなかでも非対応店舗が多いので注意が必要です。コンビニであればほとんどのコード決済が可能。
使い方としては2つのパターンがあります。
ストアスキャン方式
自身のスマートフォンでQRコードやバーコードを表示し、店舗側が専用端末でスキャンする形。
ユーザースキャン方式
店舗側がレジ周辺に提示しているコードを利用者自身が読み取り、自分で金額を入力したうえで店舗のスタッフに確認してもらい決済する形。
支払い方法としては、事前に現金をチャージしたり、あらかじめクレジットカードや銀行口座と紐づけて決済のたびに支払いを行ったり、サービスによって後払いが可能なものについては、指定の支払期日までにコンビニなどで支払いを行うこともできます。
キャッシュレス決済のメリット5つ
では、キャッシュレス決済を利用することでもたらされるメリットを紹介します。
持ち物が減らせる
カードやQRコードなどを介して決済を行うため、お札や小銭を持ち歩くことなく荷物を減らせます。
スマートフォンアプリを活用すれば、財布も持たずにスマホだけでお出かけということも可能になってくるでしょう。
決済がスムーズ
支払い金額に合わせて、財布を取り出し小銭やお札を数えて、お釣りを受け取りという、これまでは当然の流れだった過程を省くことができます。
「銀行からお金を引き出し忘れた」「ATMにわざわざ行くのが面倒」
といったこともありません。また、荷物を持っていたり、子どもを抱いていたりして手がふさがっているときに、財布から小銭を一枚一枚出す必要がないのは大きなメリットと言えるでしょう。
コンビニではすでにキャッシュレス決済専用の無人レジの配置も進んでおり、キャッシュレス決済が今以上に進んでいけば、レジの渋滞も緩和されるのではないでしょうか。
ポイント還元などのキャンペーンが豊富
サービスや会社によって、さまざまなポイント制度やキャンペーンを行っています。
貯まったポイントはそのままお会計時に利用できたり、商品と交換できたりし、現金決済よりもお得になるキャッシュレス決済が多いです。
例と挙げると、PayPayでは50回に1回、全額(10万円相当分)まで戻ってくるというようなキャンペーンも行われていました。
セキュリティや補償がある
財布や現金を紛失してしまった場合、持ち主の手元に戻ってくることはごく稀だと思います。
しかしスマホでのキャッシュレス決済の場合、指紋認証や顔認証でロックがかかっていることが多く使用できませんし、いざ支払いとなると暗証コードも必要なためやはり不正に使用することは難しいです。
また万が一不正使用された場合においても、クレジットカードはもちろん、PayPayやLINE Payなどのサービスには不正利用に対する保証があるため安心です。
利用状況の管理が容易
専用のアプリなどから使用履歴を確認できるため、支出の管理がしっかりと行えます。
また最近リリースされている家計管理アプリには、キャッシュレス決済に連動しているものも多く、アプリによってはさらに管理がしやすくなります。
キャッシュレス決済のデメリット
とっても便利なキャッシュレス決済、ただまだまだ発展途上な側面もあるため下記のようなデメリットもあります。
対応していない店舗では使用できない
現在、政府の後押しもありキャッシュレス決済に対応した店舗は続々増え続けていますが、まだまだ使えない店舗も多いです。
またキャッシュレス決済と一言で言っても、上記で説明したようにさまざまな種類があるため、そのすべてに対応している店舗は少ないでしょう。よって、どの店舗がどの決済方法を導入しているか把握することや、店舗によって決済方法を複数用意しておかなければならない点はデメリットだと感じるでしょう。
現金と同じ感覚で、スーパーや個人商店など幅広い店舗で使えるようになるにはもう少し時間がかかるのかもしれません。
災害時や端末故障時、また充電切れの際のリスク
災害時は停電などが発生します。
お店側の端末が使えなくなると、いくらユーザー側が使えても決済ができません。
また店舗の端末が何らかのトラブルや故障などで使えない場合、現金をもたずに出かけてしまえば支払いができずに困ってしまうのです。
当然ですがスマートフォンが充電切れの際には、使えません。
意識せず無駄遣いをしてしまう
目で見ることができ、手で重みを感じられる現金と違い、キャッシュレス決済はお金を使っているという感覚が薄れるため、ついつい使い過ぎてしまいがちです。
支出の履歴をこまめに確認し把握しながら使用しましょう。
現金や財布をもたずにキャッシュレス生活ができる?
では、「現金や財布をもたずにキャッシュレス生活ができるか?」という問いに対して、どんな答えが出たのでしょうか。
結論としては、「(今はまだ)できない」と言えます。
都市部であれば対応店舗も多く、期限つきならば「キャッシュレス生活〇週間」を試すことはできるでしょう。しかし、地方ではマップを見てもキャッシュレス対応を示すマークがひとつもない地域もありますし、都市部であっても店舗側の端末トラブルや災害時には困ってしまうことが予想できます。
したがって、近場のコンビニなど決まったお店へ行く程度であればスマホひとつで十分ですが、通勤通学や電車に乗って行くほどのお出かけなら財布に現金を持ち歩いたほうが安心でしょう。
まとめ
キャッシュレス決済はうまく使えば、日常生活をさらに便利なものにする素敵なツールです。
現在はまだ非対応店舗も少なくありませんが、今後、キャッシュレス決済の環境は今以上に良くなっていくのではないかと思われます。将来を見据えて、それぞれのサービスを吟味してキャッシュレス生活を始めてみてはいかがでしょうか?
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