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月72件の問い合わせを獲得している大阪の工務店の集客方法を徹底調査

工務店

公開日:2023.03.30

月72件の問い合わせを獲得している大阪の工務店がホームページでやっている集客方法を徹底調査

 

近年、家を建てる際の工務店探しにWebを活用するユーザーは増えており、ホームページは工務店が集客を成功させるうえで重要な手段となっています。

 

こちらでは、月に72件の問い合わせを獲得し、集客に成功している大阪の工務店のホームページを徹底調査。集客を成功させるためにホームページ上で行っている施策について、実例を見ながら詳しく解説していきます。
ホームページをつくったものの、問い合わせが来ない…と悩まれている工務店の経営者さま、マーケティング担当者さまは、ぜひ参考にしてください。

 

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大阪で集客に成功している​​工務店のホームページを下位サイトと比較してわかったこと

 

まずは、工務店の集客においてホームページがどれくらい重要な役割を果たしているのかを見ていきましょう。

 

大阪で集客に成功している​​工務店のホームページを下位サイトと比較してわかったこと

これは、過去5年以内に家を建てた経験がある30人を対象にしたアンケートの結果です。工務店をホームページで初めて知ったユーザーの割合は36.7%と最も多く、ホームページの重要性がわかる結果に。
では、自社のホームページをユーザーに見つけてもらい、問い合わせにつなげるためにはどうすればいいのでしょうか。

 

多少の順位変動はあるものの、「工務店+大阪」のキーワードで検索順位の5位以内(コーポレートサイト・情報サイトを除く)を獲得しているサイトを上位サイト、15〜20位のサイトを下位サイト(2023年3月末時点)とし、ホームページの比較を行いました。

 

その結果、以下のような違いがあることがわかりました。

  上位サイト 下位サイト
キーワードの数 ユーザーのニーズを反映したキーワードが多い 少ない(ビッグキーワードのみ)
被リンク 情報サイトからの被リンクが多い 少ない
構造・導線 TOPページにコンテンツの説明があり、知りたい情報にすぐにアクセスできる コンテンツの数が少なく、導線もわかりにくい
コンバージョンポイント 追従バナーですぐに問い合わせができる位置にあり、問い合わせの種類が豊富 ページ下部までスクロールしないと問い合わせができず、種類も一種類
更新頻度 高い(3日に一度程度) 低い(1年前から更新なし)
スマホ対応 フッターにコンバージョンポイントを固定 ページ下部までスクロールしないと問い合わせができない

 

それぞれの項目について詳しく解説していきます。

工務店に関連するキーワードからの流入が多い

 

以下は、上位サイトと下位サイトの違いを数字で表したものになります。

 

【上位サイト】

工務店に関連するキーワードからの流入が多い(上位サイト)

 

【下位サイト】

工務店に関連するキーワードからの流入が多い(下位サイト)

 

集客に成功している工務店を見てみると、オーガニックキーワードの数が下位サイトに比べて多いことがわかります。
オーガニックキーワードとは、ユーザーが自社サイトにアクセスした際に実際に検索されたキーワードのこと(以下オーガニックキーワード)。

 

ユーザーは何かを検索する際にキーワードを検索窓に入力し、表示された検索結果の中から自分が知りたい情報がありそうなページを選び、Webサイトにアクセスします。これをオーガニック検索といいます(以下オーガニック検索)。
つまり、オーガニックキーワードの数が多ければ多いほど、さまざまなキーワードの検索結果に自社のホームページが表示されるようになり、ユーザーが流入する入り口が増えます

 

Web広告はユーザーが流入することで費用が発生しますが、オーガニックキーワードからユーザーがサイトに流入した場合、費用はかかりません。コンテンツを一旦作成すると、それ以降の費用も発生しないのが大きなメリットです。
また、オーガニック検索で検索順位の上位になれば、ユーザーはサイトに継続的に訪れてくれるようになるため、安定したアクセス数がとれるようになります

 

大阪府の工務店の最終的な目標は、検索ボリュームが大きく集客につながりやすい「工務店+大阪」や「注文住宅+大阪」などのキーワードで検索順位の上位を取ること。 しかし、こういった競合性が非常に高いキーワードはビッグキーワードと呼ばれ(以下ビッグキーワード)、上位をとるのは非常に難しくなっています。

 

そのため、工務店がホームページで集客を成功させるためには、最終的に狙いたいビッグキーワードだけでなく、ターゲットユーザーのさまざまなニーズに合ったキーワードを選定し、そのキーワードをもとにコンテンツを作成することが重要になります。

 

では、上位サイトはどのようなキーワードで検索されているのかを見ていきましょう。以下は、オーガニックキーワードをユーザーの流入数が多い順に並べたものです。

 

 

工務店に関連するキーワードからの流入が多い(上位サイトKWトラフィック順)

 

トラフィックとは、それぞれのキーワードから月間でどれくらいのユーザーが流入しているのかを示すものです(以下トラフィック)。
これを見ると、「工務店」というキーワードは入っていないものの、実際に家を建てたりリフォームをする目的で調べられるキーワードからユーザーがホームページに流入していることがわかります。

 

たとえば、「トイレ+窓」というキーワードから流入しているページは、「トイレの中にこもっていた匂いや菌が窓を開けることで外気に押されて家の中に押し流されるので、トイレの窓は開けてはいけない」という内容のブログです。

 

一見、工務店の集客と関係なさそうな話ではありますが、ブログの最後は「とはいえ、トイレにも明かりは必要なので、弊社では開けることのできないFIX窓をおすすめしています」という内容で締め括り、自社の家づくりのアピールにつなげています。

 

家を建てる際の「トイレに窓は付けるべき?」という疑問に対する答えを知りたいユーザーが「トイレ+窓」というキーワードで検索しているため、このブログの内容は「家を建てる」という目的を持ったユーザーを自社サイトに流入させるための手段として有効なのです。

 

一方、下位サイトでは、「工務店+大阪」などのビッグキーワードしかないため流入数が少なく、検索順位も低くなっています。

 

工務店に関連するキーワードからの流入が多い(下位サイトKWトラフィック順)

 

オーガニックキーワードには、ユーザーが解決したい悩みや疑問などの具体的なニーズが隠されています
そのため、オーガニックキーワードをもとにコンテンツを作成すれば、ユーザーにとって有益な情報を提供できるサイトとなり、ユーザーのさらなる流入が期待できます。

被リンクが多い

 

集客に成功している工務店のホームページを見てみると、下位サイトに比べて被リンクの数が多いことがわかります。

 

【上位サイト】

被リンクが多い(上位サイト)

 

【下位サイト】

被リンクが多い(下位サイト)

 

被リンクとは、外部のページやサイトに自社サイトのリンクを貼ってもらうこと(以下被リンク)。被リンクの獲得がSEOにおいて効果があることは、Google公式によって次のとおりに言及されています。

 

Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。 ※引用元:Google が掲げる 10 の事実

たとえば、その判定を支援するために使用している要因の 1 つに、そのコンテンツへのリンクまたは言及が他の著名なウェブサイトに含まれているか把握するということがあります。含まれていれば、多くの場合、その情報の信頼性が高いことを示す十分なしるしとなります。※引用元:ランキング結果 – Google 検索の仕組み

 

つまり、被リンクを多く獲得しているサイトはユーザーにとって価値のあるコンテンツを持つサイトであるとGoogleに判断され、検索順位が上がりやすくなるということです。 集客に成功している工務店のホームページは、どのようなサイトから被リンクを獲得しているのでしょうか。

 

被リンクが多い(上位サイト被リンク先)

 

これを見ると、ハウスメーカーのUA値・C値(断熱性能・気密性能)ランキング | 注文住宅ヘルプナビというページから被リンクを獲得しており、このページが掲載されているサイト注文住宅ヘルプナビは、トラフィックが非常に多いことがわかります。

 

このサイトは、注文住宅に関する情報を発信している情報サイトです。こういった情報サイトは、「どんな間取りにしよう」や「どこに頼めばいいんだろう」といったユーザーの家を建てる前の悩みを解決するために活用されやすく、アクセス数が多くなる傾向にあります。

 

また、注文住宅ヘルプナビの流入数が多いページを見ると、ランキングページが多くなっていることがわかります。

 

被リンクが多い(被リンク先流入数)

 

ユーザーの興味を惹きやすいランキングページはアクセス数が多くなりやすいため、被リンクを獲得できれば集客に大きな効果を発揮します。
特に、ランキングページの掲載順位が1位になっているこのサイトの場合、アクセス数にかなりの影響力があるといえます。

 

こういったサイトからの被リンクを獲得するためには、リンクを貼って紹介したくなるようなコンテンツを作らなくてはなりません。ランキングページは各工務店の住宅性能をピックアップして紹介していることが多いため、住宅性能のページを充実させるのが被リンク獲得のポイントに。

 

実際に集客に成功しているサイトが被リンクを獲得しているページも、UA値やC値などの住宅性能について説明しているページが多くなっています。被リンクを多く獲得するためにも、住宅性能のページで自社の特性をアピールしましょう。

構造・導線がわかりやすい

 

ホームページを訪れたユーザーが使いやすいサイト構造になっているか、TOPページやユーザーが最初にアクセスして「着地」したページ(以下ランディングページ)から他のページに回遊させられる導線になっているかも、集客を成功させるうえでの重要なポイントです。
ユーザーが知りたい情報にすぐにアクセスできるよう、コンテンツのカテゴリーや階層、サイト内のリンク構造などを考えなければなりません。

 

上位サイトと下位サイトのサイトの構造・導線がそれぞれどうなっているのかを比べてみましょう。

 

【上位サイト】

構造・導線がわかりやすい(上位サイトTOPページ)

 

【下位サイト】

構造・導線がわかりやすい(下位サイト)

 

上位サイトは、各コンテンツが写真やイラスト、コンテンツ内容の簡単な説明と一緒にTOPページに掲載されているため、ユーザーが訪問した際、どのようなコンテンツがあるのかが一目でわかるのが特徴。
また、コンテンツの内容もイメージしやすく、さらに詳しく知りたい場合はリンクから各コンテンツのページに飛べる導線になっているため、回遊率の上昇にも効果があります。

 

一方、下位サイトはコンテンツの数が少なく、TOPページから得られる情報が少なくなっています。写真やイラストもあまりないためコンテンツの内容がイメージしにくく、各コンテンツページへの導線もわかりにくいです。

 

このように、ユーザーが求める情報が掲載されているコンテンツが少なかったり、どのような情報が掲載されているホームページなのかがTOPページからユーザーに伝わらない場合、離脱率が高くなってしまいます。

 

ユーザーの離脱を防ぐためには、ユーザーの悩みや知りたい情報をホームページ内で完結できるようにコンテンツを作成し、アクセスしやすい導線をつくりましょう。また、コンテンツに興味を持たせるようなデザインも必要になります。
この導線づくりはTOPページだけでなく、すべてのページで意識しなければなりません。

 

たとえば、集客に成功している工務店のホームページでは、「資金計画のたて方」というページの最後に「家づくりの流れ」ページの内部リンクを設置しています。これは、資金計画のたて方を知ったあと、どういった流れで家をつくるのかを知りたいユーザーの意図を汲み取った導線となっています。

 

このように、知りたい情報にすぐにアクセスでき、ホームページ内でユーザーが悩みを解決できる導線をつくることで、ユーザビリティの向上や回遊率の上昇が期待できます

コンバージョンポイントが常に表示されている

 

コンバージョンとは、Webサイト上で獲得する「最終的な成果」のこと(以下コンバージョン)。工務店のホームページが目指す最終的な成果は、ユーザーにホームページを訪れてもらうことではなく、ホームページから問い合わせをしてもらうことです。

 

ユーザーにホームページから問い合わせをしてもらうために重要になるのが、コンバージョンポイント(問い合わせボタン)の位置。ユーザーが問い合わせをしたいと思ったとき、すぐに問い合わせができる導線をつくる必要があります

 

コンバージョンポイントが常に表示されている(上位サイトTOP)

 

集客に成功している工務店のホームページには、ヘッダー、グローバルメニュー、フッター、追従バナーの4箇所にコンバージョンポイントが設置されており、これらはどのページを閲覧していても常に表示されるようになっています。
なかでも、ヘッダーやフッターまでスクロールしなくてもコンバージョンポイントを表示させられる追従バナーは、集客に効果的であるといえます。

 

工務店のホームページにおけるコンバージョンポイントについて、もう一点注目したいのが問い合わせの種類。
工務店のホームページからの問い合わせ内容は、主に「モデルハウス見学会」などの直接会うイベントと、「資料請求」の2パターンに分けられます。しかし、資料請求はそこからの引き上げ難易度が高いため、直接会うイベントに誘導するのがおすすめ。

 

コンバージョンポイントが常に表示されている(アンケート)

 

このアンケート結果からも、直接会うイベントの重要性がわかります。
工務店のホームページまでたどり着いているユーザーは、「家を建てる」「リフォームをする」などといった行動を起こすモチベーションが非常に高くなっているため、そこからさらに成約につながりやすい直接会うイベントに誘導できれば、成約率の向上とリードタイムの短縮につながります

 

さらに、集客に成功している工務店のホームページは、「新築完成見学会」や「リフォーム相談会」「いい土地探し勉強会」などの直接会える無料イベントの種類が豊富で、それぞれの問い合わせ窓口を分けているのが特徴。 問い合わせの窓口を分けることでユーザーが問い合わせをするハードルが下がるだけでなく、工務店側も問い合わせ内容をユーザーにヒアリングする手間が省けます。

 

また、ユーザーがホームページを訪れた際に最初に目にするファーストビューでどのような問い合わせができるのかをわかるようにすることで、ユーザーの興味を惹き、回遊率の上昇につながりやすくなります

更新頻度が高い

 

上位サイトと下位サイトの間には、更新頻度にも違いがあります。 上位サイトは、スタッフブログやイベント開催のお知らせを3日に一度のペースで更新しているのに対し、下位サイトは、1年前にお客さまの声が更新されたのが最後となっています。

 

ホームページに掲載されている情報が古いまま更新されていないと、ユーザーに不安を与えてしまい離脱につながる恐れも。なかでも、工務店選びで重視される施工事例ページが何年も更新されていない場合は実績がないと思われ、ユーザーに不信感を与えやすくなります。

 

ホームページは定期的に更新して常に新しい情報を掲載することで、ユーザーに信頼感や親近感を与え、リピート訪問にもつながりやすくなります
下記のように更新頻度が一目でわかるよう、TOPページでコンテンツの更新をお知らせし、ユーザーにアピールしましょう。

スマホに対応したデザインになっている

 

NTTドコモ モバイル社会研究所のスマホの所有に関する調査によると、スマホを保有している人の比率は年々増加しており、2022年には94%もの人がスマホを所有しているという結果に。つまり、情報を探す際にもスマホを利用する人が増えているということです。

 

また、2021年3月、Googleはパソコンではなくスマホのサイトを基準に順位の決定や評価を行う仕組みに強制移行しました。これにより、スマホに対応していないサイトは必然的に検索順位が下がるようになり、SEO対策においてもスマホ対応が必須に。

 

パソコンの画面サイズに合わせてデザインが作られているスマホ未対応のホームページの場合、スマホで見た際に「字が小さすぎて見えない」「レイアウトが崩れてしまう」「問い合わせボタンが表示されない」などといった不具合が生じる恐れがあります。こういった不具合があるとユーザーがホームページを使いにくいと感じてしまい、離脱の原因になることも。
ユーザーの離脱を防ぐためにも、スマートフォンの小さな画面でも見やすく使いやすいスマホ対応のデザインにする必要があります。

 

ホームページは、レスポンシブデザインにすることでスマホ対応にできます。スマホ対応については下記の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

また、スマホ対応のデザインにするうえでもコンバージョンポイントの位置は重要になります。
集客に成功している上位サイトではコンバージョンポイントが追従バナーとなっており、どのページのどの部分を見ていても常にコンバージョンポイントが表示されるようになっていました。
しかし、スマホの小さな画面の中で追従バナーが常に表示されるとページを閲覧するのに邪魔になり、かえってユーザビリティが悪くなってしまうことも。

 

では、どうするのがいいのでしょうか。上位サイトのスマホデザインを見てみましょう。

 

スマホに対応したデザインになっている

 

スマホのデザインでは追従バナーではなく、コンバージョンポイントを設置したフッターが画面下部に常に表示されるように固定されています。
このように、どのデバイスでホームページを見た場合でも、ユーザーが問い合わせたいと思ったときにすぐに問い合わせができる位置にコンバージョンポイントを設置するようにしましょう。

工務店がWeb集客を成功させるために必須となるSEO対策

 

SEOとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンに入力されたキーワードの検索結果画面に自社のホームページを上位表示させるための施策です(以下SEO)。
工務店のホームページになぜSEO対策が必要になるのか、アクセス数や問い合わせ数との関係をもとに、その理由について詳しく解説していきます。

工務店のホームページに必要な月間アクセス数

 

工務店のホームページが目指すべきアクセス数は、自社が目標とする問い合わせの数から以下の計算式で算出できます。

月間目標問い合わせ数×100=月間アクセス目標値

問い合わせ数の目安は、従業員数や会社の規模、年間施工件数などによって異なるため、自社に合った数字を設定しましょう。

 

アクセス数に対しての成約率の平均は1%とされているため、月1件の成約をとるためには最低でも100件のアクセスが必要になります。つまり、月に100件の問い合わせをとるためには、月に1万件のアクセスが必要になるということです。

 

ではここで、上位サイトのアクセス数がどれくらいなのかを見てみましょう。

 

工務店のホームページに必要な月間アクセス数(上位サイト)

 

オーガニックトラフィックが月間のアクセス数になります。この工務店は月間で7,200件のアクセスがあるため、コンバージョン率を1%と仮定した場合、月間で72件の問い合わせが来ている計算になります。

 

では、下位サイトはどうでしょうか。

 

工務店のホームページに必要な月間アクセス数(下位サイト)

 

こちらのサイトでは月間のアクセス数が10件となっており、コンバージョン率を1%と仮定した場合、月間の問い合わせは1件も来ていない計算になります。

 

とはいえ、これらの計算はすべてコンバージョン率が1%の場合のもの。コンバージョン率が0.1%の場合は月1件の問い合わせをとるために月間1,000件のアクセスが必要になるため、効率よく集客するためにはコンバージョン率を高めることも重要です。

検索順位でクリック率が大きく変わる

 

検索結果画面の上位に自社サイトを表示させるためのSEO対策ですが、検索順位によってアクセス数はどのくらい変わるのでしょうか。

 

以下の表は、2021年にseoClarityが7,500億回以上のインプレッションと300億回以上のクリックの検索結果を分析して算出した、日本の順位ごとの平均クリック率(CTR)のデータです。

 

検索順位 クリック率
1位 13.94%
2位 7.52%
3位 4.68%
4位 3.91%
5位 2.98%
6位 2.42%
7位 2.06%
8位 1.78%
9位 1.46%
10位 1.32%

※引用元:2021 CTR Research Study: The Largest Ever for SEO

 

この表から、検索順位の1位と2位ではクリック率が2倍近く変わることがわかります。検索順位が3位以下になるとクリック率は5%を切り、1位との間には4倍以上の差が開いてしまいます。

 

ホームページはクリックされて初めてアクセスにつながります。そのため、アクセス数を増やすためにはSEO対策を行い、検索順位を上げなくてはなりません。

 

とはいえ、工務店が最も狙いたい「工務店+大阪」などのビッグキーワードでは、検索順位の上位をとることが難しくなっています。これは、「SUUMO」や「LIFULL HOME’S」などのポータルサイトや「おすすめ工務店10選」などの情報サイトが必ず検索順位の上位にくるためです。

 

以下は、Googleで実際に「工務店+大阪」のキーワードで検索した際の1〜5位までが表示された画面です。

 

検索順位でクリック率が大きく変わる(検索画面)

 

15位まではこういったサイトが続き、16位でようやく工務店のホームページが表示されました。16位に表示されている工務店は、月間で7,200件のアクセスを獲得しています。

 

工務店のホームページに必要な月間アクセス数(上位サイト)

 

一方で、31位に表示されている工務店の月間アクセスは10件とかなり少なくなっています。

 

工務店のホームページに必要な月間アクセス数(下位サイト)

 

では、ユーザーは実際に工務店のホームページを何社程度見るのでしょうか。

 

検索順位でクリック率が大きく変わる(アンケート)

このアンケート結果を見ると、家を建てることを検討し始めた段階では1〜5社のホームページを見ている人が多く、10社程度見ている人も少なくないことがわかります。
検索順位の上位に入っていなくてもユーザーにクリックされる可能性は十分にありますが、ユーザーにホームページを見てもらうためには15位〜20位、少なくとも25位までには入っていることが望ましいです。

上位表示を狙いやすいキーワードを選定する

 

検索ボリュームとは、そのキーワードがどれくらい検索されているのかを表す指標のこと(以下検索ボリューム)。検索ボリュームごとのキーワードの大きさは、以下のように分類できます。

 

月間平均検索ボリューム 呼称
1万回以上 ビッグキーワード
1,000〜1万回以上 ミドルキーワード
100〜1,000回以下 スモールキーワード/ロングテールキーワード

 

「工務店+大阪」のようなビッグキーワードで検索された場合に自社のホームページを上位表示させられれば流入数は大きく増加しますが、こういったビッグキーワードは競合サイトが多いうえにポータルサイトや情報サイトが上位に入ってくるため、上位表示させるのが非常に難しいです。

 

一方で、検索ボリュームがそこまで大きくないキーワードは流入するユーザーの数が限られますが、その分上位表示を狙いやすく、コンバージョン率も高くなりやすいというメリットがあります。

 

「検索順位でクリック率はどれくらい変化するのか」でもお話したとおり、ユーザーのクリック率は順位が下がれば下がるほど低くなっていきます。
そのため、ビッグキーワードで検索順位が下位の場合、ユーザーの目に留まらずクリックされないため、アクセス数は増えません。検索する人数が減ったとしても、ミドルキーワードやスモールキーワードで上位表示されればクリックされやすくなり、アクセス数の増加につながります。

 

ビッグキーワードで上位表示されることだけを狙うのではなく、ミドルキーワードやスモールキーワードで上位表示されるようなコンテンツを作成することが、アクセス数を増やす近道となります。

 

キーワードの選定方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

ホームページで工務店の​​集客を成功させるために必要なコンテンツ

 

工務店がWeb集客を成功させるためには、家を建てることを検討しているユーザーが求めている情報をホームページで提供する必要があります。どれくらいの期間でどのような情報を提供するべきなのでしょうか。

 

下記のアンケートは、過去5年以内に家を建てた30人に家を建てることを検討してから成約に至るまでの期間を調査したものです。

 

ホームページで工務店の​​集客を成功させるために必要なコンテンツ(アンケート1)

 

アンケート結果から、検討を始めてから実際に家を建てるまでに1〜2年かけているユーザーが多いことがわかりました。この決して短くない期間に自社をアピールし、認知してもらうことが重要になります。

 

では、ホームページから問い合わせをしたユーザーが実際に「会う」工務店はどれくらいの数になるのでしょうか。

 

ホームページで工務店の​​集客を成功させるために必要なコンテンツ(アンケート2)

 

ホームページから問い合わせをした工務店の数は1〜3社という結果に。この3社に選ばれるためには、ユーザーが他社と自社を比較した際、自社を選ぶ決め手となるコンテンツを作成する必要があります。

 

このように、ユーザーが「家を建てる」という行動に対してどの段階まで進んでいるかによって求めている情報が異なるため、必要となるコンテンツも変わってきます
それぞれどのようなコンテンツが必要になるのかは、以下の図を参考にしてください。

 

ホームページで工務店の​​集客を成功させるために必要なコンテンツ(図)

ここからは、それぞれのコンテンツをどう作っていくべきなのかについて詳しく解説していきます。

ブログ【情報収集】

 

ユーザーが家を建てる際に抱えている悩みの解決策や知りたい情報を発信することは、ユーザーに存在を認知してもらい、興味を持ってもらうきっかけになります。

 

ブログ【情報収集】

 

このアンケート結果からも、家を建てる際の情報収集にホームページが活用されていることがわかります。
なかでも、ブログやコラムは情報収集の手段として活用しているユーザーが多いため、ユーザーが家を建てる際に知りたい情報は何かを考え、ユーザーのニーズを反映したキーワードで記事を作成することで、オーガニックキーワードからの流入が期待できます

 

ではここで、集客に成功している工務店が検索順位で上位をとっているキーワードの流入先を見てみましょう。

 

ブログ【情報収集】(上位サイトKW順位順)

 

これを見ると、検索順位で上位をとっているオーガニックキーワードの流入先のほとんどがブログであることがわかります。

 

一方、下位サイトではどうでしょうか。

 

ブログ【情報収集】(下位サイト)

 

下位サイトにはブログがないため、「地域名+工務店」などのビッグキーワードがほとんどです。そのため、検索順位も低くなっており、流入もほとんどないことがわかります。

 

ユーザーの悩みの解決法や知りたい情報を発信できるブログは、家を建てることを検討し、情報収集しているユーザーがホームページに流入するきっかけづくりに最適です。ユーザーのニーズを汲み取った内容のブログを定期的に更新し、流入数の増加やファンの獲得を狙いましょう

 

工務店のブログの書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

費用相場【情報収集・比較検討・行動・最終決定】

 

工務店のホームページで知りたい情報は何か、過去5年以内に家を建てた30人を対象にアンケートをとりました。

 

費用相場【情報収集・比較検討・行動・最終決定】

 

工務店のホームページで最も知りたい人が多い情報は費用相場という結果に。家を建てる際の不安要素となりやすい費用は、情報収集層、比較検討・行動層、最終決定層のどのユーザーにとっても必ず知っておきたい情報になります。

 

とはいえ、施工内容によって費用が変動する工務店のホームページでは、費用相場を掲載するのは難しいという面も。
そこでおすすめしたいのが、費用相場や資金計画の相談ができる個別相談会などの実施をアピールする方法です。直接会って相談できるイベントへの申し込みを、コンバージョンポイントとしてユーザーの目に留まりやすい位置に設置しましょう。

 

実際に集客に成功している工務店では、「資金計画のたて方」というページで費用についての相談ができることを明記し、ページの最後にコンバージョンポイントとして「個別相談会」への申し込みフォームを設置しています。

 

「費用相場を知りたい!」というユーザーのニーズに応えるためには、詳しい費用相場を記載するのが一番ですが、難しい場合はユーザーの費用面での不安を払拭する機会があることをアピールし、問い合わせへとつながる導線をつくりましょう

施工事例【情報収集層・比較検討・行動層】

 

ホームページで集客するためには、ホームページに訪れたユーザーを問い合わせに誘導しなければなりません。ユーザーがホームページを見て問い合わせをしようと思う決め手には、どのようなものがあるのでしょうか。

 

施工事例【情報収集層・比較検討・行動層】(アンケート)

 

このアンケートによると、ホームページからの問い合わせにつながりやすいコンテンツは施工事例という結果に。
また、先ほどの「工務店のホームページで知りたい情報は何ですか?」というアンケート結果においても、費用相場の次に知りたいユーザーが多かったのが施工事例となっています。

 

情報収集の段階でどのような家をつくっている工務店なのかをリサーチし、最終的に自身が持つイメージに近い家をつくっている工務店に問い合わせをするユーザーが多いことから、施工事例は情報収集層と比較検討・行動層にアピールすべきコンテンツといえます。

 

自社のホームページを訪問したユーザーに問い合わせを促すためには、「こんな家を作っています」という実績をわかりやすく示し、自社ならではの強みとして打ち出さなくてはなりません
そのため、施工事例ページはユーザーが持つイメージに近いものを探しやすく、見やすいデザインにする必要があります。

 

では、上位サイトの施工事例ページのデザインがどうなっているのかを見てみましょう。

 

施工事例【情報収集層・比較検討・行動層】(施工事例)

 

施工事例を「かっこいい」「かわいい」「シンプル」などのジャンルに分類し、ユーザーが持つイメージに近い事例だけを探せるようになっています。また、写真の下に家の特徴を表すキャッチコピーを入れることで、どのような土地に建っていてどのような特徴のある家なのかがすぐにわかるように。
イメージに近い事例だけを選別でき、それぞれの特徴を把握しやすくなったことで、ユーザーはただ並んでいる施工事例の写真を順にクリックしていく必要がなくなります

 

施工事例【情報収集層・比較検討・行動層】(施工事例詳細)

 

事例写真をクリックすると、家の中のさらに細かい部分の写真やスペックが表示されるように。
文章で家の特徴を長々と説明するのではなく、キッチンやトイレなどの場所ごとの写真をできるだけ多く載せ、スペックを端的に記載することで、これから家を建てるユーザーが知りたい情報が伝わりやすくなっています。

 

また、定期的な施工事例の更新は、安定した受注があるというアピールにもなります。ユーザーに安心感を与えるためにも、それぞれの施工事例に施工日時を記載しておきましょう。

住宅性能・特徴【情報収集層・最終決定層】

 

記事前半で住宅性能・特徴についてのページを充実させることで、被リンクが獲得しやすくなるとお話しました。

 

高断熱・高気密・耐震性など、建てる家に欲しい住宅性能をキーワードとして検索するユーザーが多いため、情報収集の段階で活用されやすい住宅情報サイトなどからの被リンクを獲得しやすくなっているのです。

 

また、住宅性能・特徴ページは、最終決定層にとっても重要なコンテンツになります。その結果を示すアンケートを見てみましょう。

 

住宅性能・特徴【情報収集層・最終決定層】

このアンケート結果には担当者と直接会い、話した内容も含まれますが、住宅性能や特徴について詳しく、わかりやすい説明をホームページで行うことが、最終的にユーザーに選ばれる工務店になるために必要だとわかります。

コンセプト・こだわり【最終決定層】

 

先ほどの「最終的に契約した工務店を選んだ決め手は何でしたか?」というアンケートの結果で一番多かったのが、コンセプト・こだわりのコンテンツ。
コンセプトやこだわりはTOPページのファーストビューに載せることが多いため、ユーザーにこの工務店をもっと知りたい!と思わせるきっかけになる部分でもありますが、他社との差別化がしやすいことから、最終的に契約する一社を選ぶ段階の最終決定層にとっても重要な要素になります。

 

最終的に選ばれる一社になるためには、「ユーザーがこの工務店に任せよう」と思える信頼できる根拠が必要になります。
コンセプトやこだわりで「どういう想いで家づくりを行っているのか」や「自社の強み」をユーザーにアピールしましょう。そのほかにも、「社長のごあいさつ」や「社員紹介」などの「人」が見える内容を掲載することも、ユーザーの信頼を獲得するのに効果的です。

大阪府の工務店がホームページで集客を成功させるコツ

 

最後に、大阪府の工務店がホームページで集客を成功させるためのコツをご紹介します。大阪府ならではのユーザーの傾向を反映した内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。

大阪府の工務店が狙うべきキーワード

 

Baseconnectによると、大阪府にある工務店の数は1,686社。この数は全国で2番目に多くなっており、大阪府の工務店は非常に競合性が高いことがわかります。

 

競争率の高い大阪府の工務店は、月間で1万回以上の検索ボリュームがある「工務店+大阪」などのビッグキーワードでは上位を取りにくくなっています。
そのため、月間検索ボリュームが1,000〜1万回以上のミドルキーワードや、月間検索ボリューム100〜1,000回以下のスモールキーワードで検索順位の上位を狙い、流入数を増やしましょう

 

記事の前半でもユーザーの悩みや知りたい情報からユーザーのニーズを汲み取り、そのキーワードでブログを作成することが集客を増やすコツだとお話ししました。
ユーザーのニーズの把握には、サジェストキーワードと関連キーワードを活用しましょう。 サジェストキーワードとは、調べたいキーワードを検索窓に入力した際に自動的に表示される検索候補のことで、関連キーワードは検索結果表示画面の最下部に「他のキーワード」として表示されるものです。

 

どちらもユーザーの検索頻度やキーワードとの関連性が高いものが表示されるため、ユーザーが何を知りたいのか、どのような検索意図で特定のキーワードを検索しようとしているのかなどのユーザーのニーズを把握するのに役立ちます。

 

では、大阪府で家を建てたいユーザーにはどのようなニーズがあるのでしょうか。 「工務店+大阪」のビッグキーワードのサジェストキーワードと関連キーワードを見てみましょう。

 

【サジェストキーワード 】

大阪府の工務店が狙うべきキーワード(サジェスト)

 

【関連キーワード】

大阪府の工務店が狙うべきキーワード(関連キーワード)

 

これを見ると、大阪府の工務店を探しているユーザーには、「信頼できる工務店を探したい」「安い工務店を探したい」「おしゃれな家が建てられる工務店を探したい」などのニーズがあることがわかります。

 

大阪府の工務店がホームページで集客を成功させるためには、こういったキーワードを含んだコンテンツを作成し、自社の強みとして打ち出してみるといいでしょう。

大阪府の工務店がホームページに掲載すべきコンテンツ

 

日本の三大都市の一つである大阪府は、東京都、神奈川県に次いで人口が三番目に多いにもかかわらず、面積は香川県に次いで二番目に小さく、人口密度が非常に高くなっています。 そのため、家を建てられる土地が狭くなりやすく、建てられる家の広さも限られてくるため、狭小住宅が多くなりやすいという特徴があります。

 

また、土地が狭いことから隣の家との距離も近くなるため、家を建てる際、騒音や臭いなどを気にする人も少なくありません。

 

大阪府で家を建てるユーザーは、これらの特徴を踏まえたうえで工務店を探す可能性が高いため、ホームページの中で「狭小住宅」や「騒音・臭い対策」などを打ち出したコンテンツを作成するのも効果的です。

まとめ

 

ここまで、月72件の問い合わせを獲得している工務店のホームページを参考に、大阪府で工務店のWeb集客を成功させる方法について詳しくご説明してきました。
集客できるホームページを作成できれば、安定した問い合わせの獲得につながります。ここでご説明した内容で、真似できることはぜひやっていきましょう。

 

ホームページ制作やリニューアルは、ぜひTRASPにご相談ください!

 

TRASPは工務店・建設業の集客に強いWeb制作会社です。 工務店の集客に関する幅広い知識とノウハウを持ったディレクターやデザイナーが、ターゲットの設定や集客につながる導線を考えた設計を行い、集客できるホームページを制作します。

 

また、プロのSEOライターによるコンテンツ制作も行っており、ホームページから工務店が長期的に集客できるマーケティング施策をご提案します。 大阪府で集客にお悩みの工務店の経営者さま・マーケティング担当者さまはお気軽にご相談ください。

 

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