マーケティングガイド
マーケティング分析の重要性とは?代表的な手法・・・
2021.11.26
TRASPコラム
マーケティングガイド
更新日:2023.03.23
公開日:2021.11.19
マーケティングについて調べていると「4P分析」という言葉を見かけることも多いのではないでしょうか。
4P分析はマーケティング戦略の「実行戦略」となり、製品の価格帯や販売方法などを考えるための分析方法です。
本記事ではマーケティングの4P分析について、基本や特徴から成功事例3選を紹介していきます。
マーケティングの市場分析や戦略立案を得意としているTRASPが、4P分析と4C分析の違いや4P分析を成功させるポイントについて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
マーケティングの4P分析とは製品の価格帯や販売方法などを考え、最終的な実行に結びつけるための重要なフレームワーク。マーケティングの企画と実行に必要なものになります。
また、マーケティングミックスで広く捉えてから実行することが大切。
ここでは、4P分析の重要性とマーケティングミックスについて詳しく解説していきます。
4P分析とは、マーケティングの企画と実行に必要な4つの要素を表したものです。
1960年にアメリカの学者である「E.J.マッカーシー」が提唱したもので、売り手からの視点で重要とされる項目です。
具体的には、製品やサービスについて「何の製品を」・「いくらの価格で」・「どの流れで」・「どのような方法」で広めていくのかを考えていくこと。
これらは販売に関わる重要な要素のため、効果的な販売や費用対効果の見込める集客には欠かせない要素といえるでしょう。
マーケティングミックスとは、複数の視点や要素を組み合わせた、成果を出すための戦略のこと。
以下で示したマーケティング戦略の5番目「実行戦略」に該当する部分です。
マーケティング戦略
マーケティング戦略は、製品やサービスを顧客へ効果的に販売するためのプロセスになります。
マーケティングミックスはマーケティング戦略の一環で、消費者側(4C)と企業側(4P)を組み合わせたものとなります。4Pはマーケティングミックスの要素のひとつとも言えますね。
マーケティングを成功させるためには、各要素のみを対策するのではなく、全体の流れを捉えたうえで考えなければいけません。そのため、マーケティングミックスにおいても4P分析だけを重要視するのではなく、最初の市場分析からその後の過程までをしっかりと意識しましょう。
4P分析は「売り手側」の視点で考えられたマーケティング戦略の一つです。
以下の4要素で構成されます。
ここでは、各々の要素について詳しく解説していきます。
4P分析のProductでは、顧客が価値を感じられる製品やサービスを考えることが重要です。
具体的には以下のポイントを押さえましょう。
価値のある製品を作るためには、顧客のニーズに合致する必要があります。仮に市場が大きいジャンルだとしても、顧客に求められない製品を売ることはできません。
逆に製品の名前が覚えやすく時代やトレンドに沿ったデザイン性であれば、顧客は魅力的に感じやすいといえます。したがって上記のポイントを意識し、顧客に求められる製品を作っていきましょう。
4P分析のPriceでは市場の価格帯だけでなく、競合との比較や売上として数字を作ることも重要です。
価格を決める要素はさまざまですが、何を基準に設定したのか、決めた価格の根拠を明確にする必要があります。
仮に「市場の価格基準から設定する」を重視した場合は、どのように市場調査を行ったのかについても記録しておきましょう。
製品の価格は時期や時間によっても変化します。
そのため自社の製品価格が市場に適しているかを判断するためにも、以前の価格を設定した根拠と比較することが重要です。
4P分析のPlaceでは、製品が顧客に届くまでの流れ(流通チャネル)を細かく分析することが重要です。
具体的には以下のポイントを押さえましょう。
細かい設計は製品によって異なりますが、顧客をしっかりと想定して考えましょう。
仮に「購入単位」であれば、家族連れに向けた製品・一人暮らし向けの製品によっても数量は違います。
また「製品の多様性」においては、近年の新型コロナウイルスによってオンラインの注文が多いことを見越し、商品画面上で在庫状況などが随時反映される状態が理想です。
項目は一つずつ丁寧に考え、競合他社と比較しながら設定しましょう。
4P分析のPromotionでは製品をどのように宣伝していくのかについて、適した手法を複数個のパターンから考えることが重要です。
インターネットが軸の現代では、Web広告の運用やSEO対策など、製品の宣伝方法は多岐にわたります。
また集、客効果の即効性が期待できる方法もあれば、効果が出るのに時間がかかる方法もあるため、コントロールすることは簡単ではありません。
そのため同じ製品であってもターゲットごとに手法を変えるなど、さまざまな効果検証を行ない適する方法を探しましょう。
4C分析とは、企業目線である4P分析とは逆に「顧客目線」で考えられたマーケティング戦略の一つです。
以下の4要素で構成されます。
ここでは、各々の要素について解説していきます。
4C分析のCustomer Valueでは、顧客の視点で製品に対するイメージや価値などを考えることが重要です。
具体的には以下のポイントを意識しましょう。
顧客目線で考えるときにありがちなことが、製品の性能面ばかりを意識してしまうことです。
もちろん高性能で良い品質であることも重要ですが、顧客はその条件だけで購入を決めているわけではありません。実際は購入した後の使用感や、購入する前のイメージなどが合わさって決めていると考えられます。
そのため顧客がどの部分に価値を感じるかのかを考え、当てはまる要素をもつ製品を作っていきましょう。
4C分析のCostでは、顧客の視点で製品に費用を支払う価値があるのかを考えることが重要です。
具体的には以下のポイントを意識しましょう。
市場価格などを含め、設定した製品価格は良いイメージをもつのか悪いイメージをもつのかを考えましょう。
例えば、価格が高すぎるとお客さまは安いほうに流れてしまいますし、逆に安すぎる場合、「安かろう悪かろう」だと思ってしまいます。しかしギフトなどの場合は「高い物を買う」という心理が働き、同じ商品でも高い価格のほうが売れるという現象が起きることがあります。
またターゲットとなる顧客は、どの程度の製品価格を求めているのかや支払い能力があるのかまで深堀りすると、根拠にもとづく価格設定が行えます。名声価格や端数価格などの心理的価格なども影響するため、慎重に決定していきましょう。
ただしかならずしも競合より価格を安くしなければいけないとは限りません。良い製品であれば多少値段が高くても購入されるため、安さだけで勝負しないことが大切です。
4C分析のConvenienceでは、顧客の視点で製品の注文から到着までのスムーズさを考えることが重要です。
具体的には以下のポイントを意識しましょう。
注文の流れは最終的な売上に直結する要素のため、決済で顧客が離脱しないように「よくある質問」を公開しておくなど、考えられる対処は事前に行いましょう。
また支払い方法の種類が多いとお客さんの幅も広がるため、電子マネー対応を増やすなどの対策も効果的です。
導線の流れは何度も確認し、顧客が不快に感じることなくスムーズに利用できる状態が大切です。
4C分析のCommunicationでは、顧客に向けて価値のある情報を発信していることが重要です。
具体的には以下のポイントを意識しましょう。
見込み客に向けては、SEOの検索上位を狙うコンテンツマーケティングやオンラインセミナーの開催など、専門的な情報は積極的に発信しましょう。
専門的で価値のある情報は信頼につながるため、結果的に顧客につなげやすくなります。
また製品を購入した顧客に向けては、アフターサポートで満足度を高めることが大切です。
リピーターとして再度製品の購入を促すことも可能ため、既存の顧客も重要視しましょう。
4P分析によってマーケティングを成功させるためには、事前にSTP分析を行いターゲットを明確化することが重要です。また4P分析を行う際も、項目ごとではなく全体を一連の流れとして考えるようにしましょう。
ここでは、マーケティングで4P分析を成功させるポイントについて詳しく解説していきます。
4P分析を成功させるためには、事前にSTP分析を行いましょう。
STP分析とは、マーケティング戦略のなかから以下の3つに限定したフレームワークです。
マーケティングで最重要とされるターゲットの選定が目的で、その後の4P分析では具体的な「実行戦略」に役立ちます。
特に近年はオリジナル性や専門性が重要視されているため、市場分析から導き出すポジショニングは大切な要素です。
ボジショニングが確定すれば企業ブランディングや情報発信が行いやすく、4C分析の「Communication」で重要とされる「顧客に価値のある情報」を届けられるでしょう。
4P分析は4つの項目に分けられていますが、すべてを一連の流れとして捉えましょう。
なぜなら4P分析では、製品に対する一貫性が重要なためです。
例えばいきなり「Place」から考えたとしても、製品が決まっていなければ流通経路を確保できません。
また「Product」で製品のコンセプトが定まったとしても、価格が決まっていなければ「Promotion」の方法も適切な選択がとれないのです。
そのため基本的には
「Product」→「Price」→「Place」→「Promotion」
の流れで考え、各々の項目でつながりを持たせましょう。
後に問題点や改善点を明確化するためにも、4P分析は一連の流れとして捉えることが大切です。
ここでは、4P分析を活用したマーケティング事例3選について解説していきます。
H&Mは世界中で展開されている、スウェーデン発祥のファストファッションブランドです。
H&Mの4P分析は以下のとおりです。
Product(製品)
「ファッションとクオリティを最良の価格で」という企業理念のもと、高いファッション性がありながら低価格帯の提供が多くの顧客から支持されている。
Place(流通)
賃料の安い東ヨーロッパやアジア圏での生産など、独自の流通によって生産コストを抑えることに成功している。
今までのファッションブランドにはなかった低価格帯が人気の理由となり、競合他社との差別化に成功した事例といえます。
世界中に3万以上の店舗数をもち、日本でも人気のあるコーヒーチェーン店です。
Product(製品)
価格ではなく店内の雰囲気や居心地の良さ、店員の接客スタイルなどから独自のブランディングに成功している。
Promotion(販促活動)
テレビCMやチラシなどは使用せず、ソーシャルメディアの活用によって広告費用をかけずに高い集客効果を得ている。
「サードプレイス」という独自のブランディングによって、明確なコンセプト設定が成功のポイントだと考えられます。
競合にはなかった新しい発想や広告を活用しない販促活動は、どのジャンルにおいても参考になる事例です。
ライザップは「結果にコミットする」をコンセプトに、印象に残るプロモーションなどで一躍有名になったマンツーマンのパーソナルジムです。
Product(製品)
従来までのダイエット方法とは異なり、筋トレを活用した完全マンツーマン指導が競合との差別化につながっている。
Promotion(販促活動)
印象に残るTVCMや広告が注目を集めるきっかけとなり、爆発的な人気を獲得した。
費用は高額ではあるもののダイエット効果の高いサービスを提供し、顧客から信頼性の獲得に成功しています。
また一度見たら忘れない「ダイエットのビフォーアフター」を表した広告が特徴となり、効果的なプロモーションによって認知度を高めた成功事例です。
本記事ではマーケティングの4P分析について、基本や特徴から成功事例3選を紹介してきました。
4P分析は「売り手側の視点」、4Cは「顧客側の視点」で考えるマーケティング戦略の一つです。
「実行戦略」を行うことが目的となり、製品の価格帯や販売方法を考えるうえでは欠かかせない要素になります。
そのため現状のマーケティングで成功しているしていないにかかわらず、マーケティング面を強化したい人には必須の取り組みです。
TRASPはマーケティング4Pを活用した戦略立案を強みとした会社です。施策内容なブランディングから集客まで幅広く行っております。
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