マーケティングガイド
マーケティングの情報収集を行う方法7選!役立・・・
2022.03.02
TRASPコラム
マーケティングガイド
更新日:2023.06.21
公開日:2021.11.19
マーケティングについて調べていると「4P分析」という言葉を見かけることも多いのではないでしょうか。
4P分析はマーケティング戦略の「実行戦略」となり、製品の価格帯や販売方法などを考えるための分析方法です。
本記事ではマーケティングの4P分析について、考え方や具体的な活用方法、成功事例3選を紹介していきます。
マーケティングの市場分析や戦略立案を得意としているTRASPが、4P分析と4C分析の違いや4P分析を成功させるポイントについてもわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
はじめに「4P分析とは何か?」について見ていきましょう。
マーケティングの4P分析とは、1960年代にアメリカの学者である「E.J.マッカーシー」が提唱した、売り手からの視点で重要とされる概念です。半世紀以上ものあいだ、マーケティングの企画と実行するための基本の考え方として使われてきました。
ここでは、4P分析について、わかりやすく解説していきます。
4P分析とは、「売り手側」の視点で考えられたマーケティング戦略の一つで、以下のマーケティングの企画と実行に必要な4つの要素を表したものです。
具体的には、製品やサービスについて「何の製品を」・「いくらの価格で」・「どの流れで」・「どのような方法」で広めていくのかを考えていくこと。製品の価格帯や販売方法などを考え、最終的な実行に結びつけるための重要なフレームワークとなります。
マーケティングにおいては「分析」や「戦略の決定」が完了した後、「戦略を実施」する際に4P分析を使います。
たとえば、ある企業では次のような4Pを活用したマーケティングで成功しています。
どこの企業だかわかりますか?答えは記事後半の事例紹介でお伝えします。
Product(製品)
価格ではなく店内の雰囲気や居心地の良さ、店員の接客スタイルを徹底的に確立。
「サードプレイス」といわれる独自のブランディングに成功した。
Promotion(販促活動)
ブランドイメージを守るためにテレビCMやチラシなど一方的な媒体は使用せず、ソーシャルメディアの活用・利用した顧客が体験した口コミによって広告費用をかけずに高い集客効果を得ている。
たとえば工務店の場合、「質の良い木材を使った住宅」を「高い価格」で「住宅市場」に出すだけでは売れません。
「いくらで」「どのようなターゲットのいる市場に」「どのような方法で」売り出すのかを4P分析を使って考えるのです。
製品、価格、流通、広告宣伝という4つのPどれか1つが良くても意味がなく、4つのバランスが重要。具体的に実行するための施策を立案しましょう。
4P分析を使うタイミングとしては、以下で示したマーケティング戦略の5番目「マーケティングミックス(実行戦略)」に該当する部分です。マーケティングのなかでは、最終段階になります。
マーケティング戦略
マーケティング戦略は、製品やサービスを顧客へ効果的に販売するためのプロセスになります。
マーケティングを成功させるためには、まず市場分析やターゲット分析をして、それを踏まえたマーケティングを立案、実行するという流れになります。4P分析だけを重要視するのではなく、最初の市場分析からその後の過程までをしっかりと意識しましょう。
マーケティングを学んでいると必ず耳にするのが「マーケティングミックス」。
マーケティングミックスとは、複数の視点や要素を組み合わせた、成果を出すための戦略のこと。
マーケティングミックスはマーケティング戦略の一環で、消費者側(4C)と企業側(4P)を組み合わせたものとなります。4Pはマーケティングミックスの要素のひとつとも言えますね。
4C分析についても記事後半でわかりやすく解説しますので、参考にしてください。
Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(広告宣伝)の4要素について、考え方をわかりやすく解説していきます。
4P分析のProductでは、製品そのものだけでなく、以下のポイントから考えます。
価値のある製品を作るためには、顧客のニーズに合致する必要があります。仮に質の良い製品だとしても、顧客に求められない製品は売れません。デザインやアフターサービスなどを含めて、顧客が価値を感じられる製品やサービスを考えることが重要です。
ターゲットのニーズを分析し、競合と差別化できる自社製品・サービスの魅力は何か?を考えましょう。
4P分析のPriceでは製品の価格を考えます。価格設定をするうえでは、以下のようにいくつかの考え方があります。
ブランド戦略を重視し、高価格に設定したとしても、ターゲットが手を出せない金額であれば売れません。
顧客が買い求めやすい低価格であっても、自社の利益にならなければ意味がありませんね。
顧客が求める価格と、自社の利益のバランスを考えながら価格戦略を行っていきましょう。
また、何を基準に設定したのか、決めた価格の根拠は明確にしておくことです。競合や市場の価格を基準にすると価格競争に巻き込まれやすくなり、自社の価値まで下げてしまうおそれがあります。
価格競争に巻き込まれないためには、ポジショニング戦略がおすすめです。
4P分析のPlaceでは、製品が顧客に届くまでの流れ(流通チャネル)を細かく分析することが重要です。
細かい設計は製品によって異なりますが、顧客をしっかりと想定して考えましょう。
以下のように、間に業者をはさむことで顧客へは届きやすくなりますが、コストは増します。
ゼロ段階チャネル:自社→消費者(顧客)
1段階チャネル:自社→小売業者→消費者(顧客)
2段階チャネル:自社→卸売業者→小売業者→消費者(顧客)
たとえば工務店の場合、ゼロ段階チャネルとして以下のような流通チャネルが考えられます。
質の良い無垢材を使用した注文住宅の流通チャネル
基本はホームページで製品の特徴を知ってもらい、モデルハウス見学へとつなげる。
(住宅においては高額商品であるため、Web上で即決するのは難しく、顧客は時間をかけて検討するため。また「自分の目で見て住み心地を体験したい」という人や営業から詳しく話を聞きたいという人も多い)
項目は一つずつ丁寧に考え、競合他社と比較しながら設定しましょう。
4P分析のPromotionでは製品をどのように宣伝していくのかについて考えます。
製品やサービスは、ターゲットに認知されて初めて売れるため、プロモーションを考えることは重要だといえます。
インターネットが軸の現代では、Web広告の運用やSEO対策など、製品の宣伝方法は多岐にわたります。
自社の予算や、ターゲットがよく利用する媒体などを考慮しながら、選びましょう。
ホームページで集客するとすれば、Web広告やポータルサイトなどで集客チャネルを増やし、ユーザーの目に触れる機会を増やすのがおすすめ。
また集客効果の即効性が期待できる方法もあれば、効果が出るのに時間がかかる方法もあるため、コントロールすることは簡単ではありません。同じ製品であってもターゲットごとに手法を変えるなど、さまざまな効果検証を行ない適する方法を探しましょう。
4C分析とは、企業目線である4P分析とは逆に「顧客目線」で考えられたマーケティング戦略の一つ。多様化するニーズに対応できるように作られており、以下の4要素で構成されます。
「価値(Customer Value)と製品(Product)」、「コスト(Cost)と価格(Price)」のように、4Cと4Pは対になっています。古くからある4Pに、新しい買い手側の視点として再定義したのが4Cなのです。
したがって、企業目線の4Pと顧客目線の4Cは、どちらか一方を活用するよりは、一緒に考えていくのが重要です。
1.Customer Value(顧客価値)
4C分析のCustomer Valueでは、顧客の視点で製品に対するイメージや価値などを考えます。
顧客目線で考えるときに製品の性能面ばかりを意識してしまうことがありますが、以下のようなあらゆる価値が重要。
顧客がどの部分に価値を感じるかのかを考え、当てはまる要素をもつ製品を作るために必要です。
2.Cost(経費)
4C分析のCostでは、顧客の視点で製品にいくら支払う価値があるのかを考えます。
例えば、価格が高すぎるとお客さまは安いほうに流れてしまいますし、逆に安すぎる場合、「安かろう悪かろう」だと思ってしまいます。しかしギフトなどの場合は「高い物を買う」という心理が働き、同じ商品でも高い価格のほうが売れるという現象が起きることがあります。かならずしも競合より価格を安くしなければいけないとは限りません。良い製品であれば多少値段が高くても購入されるため、安さだけで勝負しないことが大切です。
3.Convenience(利便性)
4C分析のConvenienceでは、以下のような点を顧客目線で考えます。
ホームページを訪れたユーザーが疑問に思う点は「よくある質問」にまとめておくなど、考えられる対処は事前に行いましょう。顧客が不快に感じることなくスムーズに利用できる状態が大切です。
4.Communication(コミュニケーション)
4C分析のCommunicationでは、営業担当者・展示会・SNS・メールでのお問い合わせなど、さまざまな顧客との交流を指します。企業からの一方的なプッシュだけでなく、顧客の声を聞くことが近年では重要視されています。
また製品を購入した顧客に向けては、アフターサポートで満足度を高めることが大切です。
リピーターとして再度製品の購入を促すことも可能なため、既存の顧客も重要視しましょう。
3C分析とは、以下の3つの要素からマーケティング環境を分析する手法のことです。
客観的な情報収集に長けており、マーケティング分析でありがちな主観の考えを排除し、マーケティング環境をもらすことなく把握できることが特徴。
1.Customer(市場・顧客)
自社が勝負したい市場や、集客したいターゲットについて理解していなければマーケティングは始まらないため、はじめに分析すべき要素が、Customer(市場・顧客)です。
市場:成長率、規模、変化など
顧客:購買行動、購入プロセス、消費者人口、ニーズなど
2.Competitor(競合)
つづいて分析するのがCompetitor(競合)です。
競合の段階では、競合他社の売上や市場のシェア率など、数値的な情報から企業の特徴を分析していきます。
3.Company(自社)
最後に分析するのがCompany(自社)です。
前述で分析した「市場・顧客」と「競合」の情報を軸に、自社の経営戦略を考えます。
4P分析によってマーケティングを成功させるためには、STP分析を行いターゲットを明確化することや全体を一連の流れとして考えることが重要です。
4P分析を成功させるためには、事前にSTP分析を行いましょう。
STP分析とは、マーケティング戦略のなかから以下の3つに限定したフレームワークです。
マーケティングで最重要とされるターゲットの選定が目的で、その後の4P分析では具体的な「実行戦略」に役立ちます。
特に近年はオリジナル性や専門性が重要視されているため、市場分析から導き出すポジショニングは大切な要素です。
ボジショニングが確定すれば企業ブランディングや情報発信が行いやすく、4C分析の「Communication」で重要とされる「顧客に価値のある情報」を届けられるでしょう。
4P分析は4つの項目に分けられていますが、すべてを一連の流れとして捉えましょう。
なぜなら4P分析では、製品に対する一貫性が重要なためです。
例えばいきなり「Place」から考えたとしても、製品が決まっていなければ流通経路を確保できません。
また「Product」で製品のコンセプトが定まったとしても、価格が決まっていなければ「Promotion」の方法も適切な選択がとれないのです。
そのため基本的には
「Product」→「Price」→「Place」→「Promotion」
の流れで考え、各々の項目でつながりを持たせましょう。
後に問題点や改善点を明確化するためにも、4P分析は一連の流れとして捉えることが大切です。
4Pの4要素のあいだで矛盾があれば、マーケティングは失敗します。
たとえば前述したような「質の良い無垢材を使用した注文住宅」を売りたい工務店のケース。
Product(製品):質が良い無垢材住宅
Place(流通):ネット上で木材の種類やキッチンを選んでオーダーできるシステム
工務店のWebサイトから「好きな建材を自由に選べる」、シンプルでわかりやすい定額制の注文住宅というのが近年増えており、食べ放題のビュッフェのようなので「ビュッフェスタイルの注文住宅」とも呼ばれています。注文住宅の価格を抑えたい、支払い総額を気にする、という顧客には画期的な方法ですね。
しかしこの流通経路には、「質の良い無垢材を使用した注文住宅」のターゲットはいません。
このように、Product(製品)に合ったPlace(流通)を考えるなど、4P間の矛盾をなくすことが重要となります。
むしろ相乗効果となるような、4Pの要素をそれぞれ設定することをおすすめします。
ここでは、4P分析を活用したマーケティングの事例3選を紹介していきます。
https://about.hm.com/ja_jp.html
H&Mは世界中で展開されている、スウェーデン発祥のファストファッションブランドです。
H&Mの4P分析は以下のようになっています。
Product(製品)
「ファッションとクオリティを最良の価格で」という企業理念のもと、高いファッション性がありながら低価格帯の提供が多くの顧客から支持されている。
Place(流通)
賃料の安い東ヨーロッパやアジア圏での生産など、独自の流通によって生産コストを抑えることに成功している。
今までのファッションブランドにはなかった低価格帯が人気の理由となり、競合他社との差別化に成功した事例といえます。
スターバックスコーヒーは、世界中に3万以上の店舗数をもち、日本でも人気のあるコーヒーチェーン店です。
記事前半でご紹介した「ある企業」は、こちらのスターバックスになります。
Product(製品)
価格ではなく店内の雰囲気や居心地の良さ、店員の接客スタイルを確立。
「サードプレイス」といわれる独自のブランディングに成功した。
Promotion(販促活動)
ブランドイメージを守るためにテレビCMやチラシなど一方的な媒体は使用せず、ソーシャルメディアの活用・利用した顧客が体験した口コミによって広告費用をかけずに高い集客効果を得ている。
「サードプレイス」という独自のブランディングによって、明確なコンセプト設定が成功のポイントだと考えられます。
競合にはなかった新しい発想や広告を活用しない販促活動は、どのジャンルにおいても参考になる事例です。
ライザップは「結果にコミットする」をコンセプトに、印象に残るプロモーションなどで一躍有名になったマンツーマンのパーソナルジムです。
Product(製品)
従来までのダイエット方法とは異なり、筋トレを活用した完全マンツーマン指導が競合との差別化につながっている。
Promotion(販促活動)
印象に残るTVCMや広告が注目を集めるきっかけとなり、爆発的な人気を獲得した。
費用は高額ではあるもののダイエット効果の高いサービスを提供し、顧客から信頼性の獲得に成功。
一度見たら忘れない「ダイエットのビフォーアフター」を表した広告が特徴となり、効果的なプロモーションによって認知度を高めた成功事例です。
本記事ではマーケティングの4P分析について、考え方や具体的な活用方法、成功事例3選を紹介してきました。
4P分析は「売り手側の視点」、4Cは「顧客側の視点」で考えるマーケティング戦略の一つです。
「実行戦略」を行うことが目的となり、製品の価格帯や販売方法を考えるうえでは欠かかせない要素になります。
そのため現状のマーケティングで成功しているしていないにかかわらず、マーケティング面を強化したい人には必須の取り組みです。
TRASPはマーケティング4Pを活用した戦略立案を強みとした会社です。施策内容なブランディングから集客まで幅広く行っております。お客さまに合わせた提案も可能なため、マーケティングに関することはお気軽にご相談ください。
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